2012/08/07

ロンドンphoto 20120806

<男子スプリント 金メダルはイギリスのケニー>
トラック競技5日目の6日、男子スプリントは準決勝・決勝が行われ、戦前の予想通り、決勝はイギリスのケニーとフランスのボジェのライバル対決となった。今年4月の世界選手権でも決勝で顔を合わせたこの2人。その時はボジェ先制で迎えた2回戦で、ケニーが走行違反をとられ降格。ボジェが3度目の世界チャンピオンの座についている。またその前年の世界選手権も2人は決勝で対戦しボジェが勝ってはいるが、その後ボジェがドーピング検査に関する規定違反で記録剥奪のペナルティを受け、ケニーが繰り上がりで世界チャンピオンとなっている。こうした過去の対戦成績を見ればボジェの力が上のようにもみえるが今回は違った。決勝1回戦、ボジェ先行のままレースは最終周回へ。最終バック手前で踏み出したケニーは、すぐに逃げるボジェを捕らえ、ゴール手間で抜き去って先勝。この時点で今回の出来の違いは明らかだった。そして、続く2回戦はケニーが先行。途中ボジェのトリッキーな動きにも惑わされず、最終周回に入る手前で一気にスパート。ボジェ必死の追走も背中すら捕らえることができず、ケニーがそのまま逃げ切り勝ちを収めた。ケニーが強いという印象は予選の時からあったが、こんなにも簡単にあのボジェを打ち負かすとは想像すらできなかった。ケニーはこれで今大会チームスプリントに続いて2つ目の金メダル。イギリスチームとしてはこれで4つ目の金メダルとなった。なお3位決定戦はオーストラリアのパーキンスがトリニダード・トバゴのフィリップをストレートで破り銅メダルを獲得した。

女子スプリントはこの日1/4決勝が行われ、イギリスのペンデルトン、オーストラリアのメアーズ、中国の郭爽、そしてドイツのフォーゲルが明日の準決勝に駒を進めた。こちらもペンデルトンとメアーズのライバル対決に注目が集まっているが、ペンデルトンの出来はケニー同様今回群を抜いて良い印象だ。またこの日1日目の競技が行われた女子オムニアムでも、イギリスのトロットが暫定トップの座に着いている。イギリス旋風は未だ吹き止まず。

トラック競技も残すところあと1日。明日はいよいよ日本の渡邉一成が金メダル獲得を目指して男子ケイリンに出場する。渡邉はこの日、競技開始前のトラックで最終調整を行い明日に備えた。

■渡邉一成選手
「昨日一日休んだので今日はちょっと体の反応がイマイチでしたけど明日に向けてちゃんと調整しているので大丈夫です。気持ち的には緊張していますよ。ここまでも緊張感はあったのですが、やはり前日に感じる緊張感というのは違いますね。明日は1回戦を一発で勝ち上がることが最初の課題ですね。どこまで自分を信じられるかにかかっていると思います。」

今日の全レース終了後、男子ケイリン1回戦のスタートリストが発表された。渡邉は大会連覇を狙うイギリスのクリス・ホイと同じ第1組。2着までが2回戦へ。3着以下は敗者復活戦回りになる。レースは明日午前10時(現地時間)にスタートする。(選手強化スタッフ広報担当)