2008/09/09

北京パラリンピック第2日目レポート

9月8日(月)トラック2日目;
トラック2日目、日本人選手は、視覚障害(B&VI)男子1キロタイムトライアルに出場する大城竜之・パイロット高橋仁ペアのみである。初日の石井・藤田の銀メダル2つで勢いがついたのか、大城・高橋も素晴らしい走りを見せた。
16 組中11番目スタートの大城・高橋は、完璧なスタートダッシュで初周を20秒368で回り、その後もハイペースは衰えなかった。スタート以上に課題だった 最後の粘りも、新しいフレームに変えてからはブレが少ないためか、スピードが落ちない。豪のLindores/George組がこの日マークした1分4秒 792というパラリンピックレコードを上回るタイムを計時して迎えた最終周回は満員の場内から大声援が送られる。最後もたれることなく、大城・高橋は1分 4秒593のパラリンピックレコードでゴール。割れんばかりの大歓声の中、大城・高橋は何度も笑顔でガッツポーズ。応援していた家族・ファンに応えてい た。
すっかりプロ化したこのクラスでは、このパラリンピック記録(シドニー・アテネであれば世界新記録・金メダルだった)の寿命は残念ながら短いものとなってしまった。
南アフリカのペアやオーストラリアの残る2組が1分4秒130、1分4秒053、1分3秒718という記録を出していき、大城・高橋ペアは表彰台に上がることはできず。
最終ペアで世界チャンピオン・世界記録保持者のKappes/Storey組(英)はこれらをされに上回り、1分2秒864という桁違いのタイムで圧勝し、金メダルを獲得。
大城竜之・高橋仁は5位であった。シドニー・アテネであれば金であったが、それでも世界の強豪と激戦を展開し、満員の場内を沸かせたことは4日目のスプリントに向けて自信になったのでは。
パ ラサイクリング全体に言えることで、特にこのクラスには顕著だが、プロ化しているのが事実。イギリスペア・オーストラリアペアなどは、パラサイクリングが 職業のようだ。一方、日本ペアは2名とも仕事をしながらのトレーニング三昧の日々。それでもこれだけの好タイム・激戦を展開できることは彼らそして今回の 日本チームのレベル・意識の高さを物語っている、と感じる。
この日の大城・高橋ペアの予想を上回る好タイムで、日本チームはさらに盛り上がっていくことが期待される。3日目からも好成績を信頼したい。