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2013/06/23

2013 全日本選手権ロード・JCF強化レポート

女子ジュニア ラスト1周の登りで坂口に迫る谷<女子ジュニア+U17>
今年の全日本選手権ロードのコースはスタート地点から最初の10kmがテクニカルなコーナーを含む下り坂、そこからゴールまでの5kmは一度400mほどの下りはあるが、登りが続く厳しい1周15kmのコース設定になっている。ジュニア女子はU17の選手を含め10名の選手がこのコースを3周する45kmのコースに臨んだ。地元大分出身の前年の高校選抜女子チャンピオンの江藤里佳子(鹿屋体育大)はスタートしなかった。
約10kmのニュートラル区間が終わり登り坂から正式スタートと同時に、坂口聖香(パナソニック レディース)、谷伊央里(前橋育英高)がすぐに抜け出し、伊藤杏菜(Ready Go JAPAN)が続く。その後坂口が1人で抜け出し、2周目の下りでは谷、元砂七夕美(榛生昇陽高)らに40秒ほどの差をつける。2周目の登り口では坂口は谷、元砂、伊東(浜松学院高)の3名に30秒、その少し後ろを伊藤が続く。2周目の登り中腹で谷、伊藤が追撃を開始するが、3周目に入る段階で坂口はこの2名に50秒の差をつける。
3周目の下りを谷が攻めて伊藤を引き離し、登りの入り口では坂口に20秒ほどまでに迫る。伊藤は谷からここで20秒遅れる。霧のかかったコースで、前に坂口を捉えた谷が良いペースで差をジワジワ詰めていく。ラスト3kmあたりでは10秒ほどまで近づく。ここから2人での争いになるかと思われたが、追いつく直前で坂口が踏み直して一気に差をつけてここで勝負が決まる。坂口は谷に24秒差で逃げ切り優勝。3位は1分9秒差で伊藤が入った。
スタート後すぐに登りで坂口が1人で逃げ切る意思をみせ、得意な下りでは敢えてリスクを負わない走りに徹し、ラスト1周で谷の猛迫を許したものの最後は力をみせてスタートからゴールまでほぼ1人で走りきった。

[競技結果]<女子ジュニア+U17>
1.坂口 聖香(パナソニック レディース) 1時間55分24秒
2.谷 伊央里(前橋育英高)24秒差
3.伊藤 杏菜(Ready Go JAPAN)1分9秒差

男子ジュニア5周目 先頭集団の6名<男子ジュニア>
男子ジュニアは15kmのコースを6周回する90kmで争われた。
ニュートラル区間が終わり最初の登りで橋詰(昭和第一学園高)、岡(キャノンデール・チャンピオンシステム)らが中心に登りでペースを上げる。2周目の下りで岡、河津賢人(九州学院高)、横山航太(篠ノ井高)が攻めると集団は中切れを起こし、狭い下り区間で落車が起こる。ここでの落車に優勝候補の1人橋詰らも巻き込まれて遅れてしまう。そのあとの登りでもペースが上がり、集団はバラバラになり先頭グループの13名のみが唯一の集団となる。先頭の13名は岡、黒枝咲哉(日出暘谷高)、吉田優樹(日本大)、山本大喜(榛生昇陽高)松本祐典(北桑田高校)、小山貴大(前橋育英高)、塩田航平(栄北高)、雨澤毅明(那須ブラーゼン)、野本空(松山工業高)、伊東泰輝(別府商業高)、中本優司(奈良北高)、斉藤瞭汰(前橋工業高)、成海大地(普天間高)。3周目の狭い下りで黒枝がパンクするが、無事登り始めまでに集団復帰する。先頭グループでは下り坂は岡が、登り坂では雨澤が中心にペースを作っている。3周目の登りで中本、成海、斉藤が遅れる。4周目の登り始めから雨澤が中心にそれまでの周よりペースを上げたため、松本、伊東、山本、塩田、野本が遅れ先頭集団は雨澤、岡、小山、吉田、黒枝の5名になる。小山も遅れかけたが登り中腹で復帰する。5周目の下り始めで雨澤がパンクするが、ここでもニュートラルの素早い対応で無事復帰する。大きく遅れていた山本もこの下りで単独で先頭に戻ってきて6名の先頭集団になる。この周は登りでは大きな動きはなく、ラスト周回の6周目に入る。下り始めで黒枝が前の選手とハスって落車する。膝、肘から激しく出血しながらも無事復帰する。ラストの下りで山本が遅れ先頭は5名になる。登りでは細かなアタックはかかるが単独で抜け出すほどの大きな差にはならない。この登りで吉田が遅れる。ラスト2kmでの岡のアタックで小山が遅れかけるが、前も牽制が入りラスト1kmでは岡、黒枝、雨澤、小山の4名での勝負となる。雨澤がラスト500mあたりでロングスパートをかけるが、黒枝、岡は即座に反応して逃さない。最後はラスト150mでスプリントに絶対の自信を持つ黒枝が一気にかけてゴールを制する。岡が2位、雨澤が10秒遅れで3位、小山が4位。
ジュニア男子は94名がスタートして完走したのはわずか8名という非常に厳しいレースとなった。スタート直後の登りから2周目の下り、登りでのペースアップにより決定的な先頭グループが出来た。登りを得意とまでは言えない黒枝が、厳しい地元大分のコースで登りでのペースアップにも対応し、パンク、落車のトラブルをも克服して、最後は自分の得意なスプリントに持ち込み優勝した。登りで力をみせた雨澤、岡も強さは見せたが、1人で先頭グループから抜け出すことは出来なかった。
4周回で争われた男子U-17ではレース前半から登りで積極的にペースアップを図り、最後は1人抜け出した石上優大(横浜高)が優勝した。(柿木 孝之)

[競技結果]<男子ジュニア>
1.黒枝 咲哉(日出暘谷高) 3時間13分9秒
2.岡  篤志(C Project) 2秒差
3.雨澤 毅明(那須ブラーゼン) 10秒差
<男子U17+U15>
1.石上 優大(横浜高)2時間12分42秒
2.中村 圭祐(昭和第一学園高)12秒差
3.水谷  翔(南大隅高)30秒差
男子ジュニア5周目 先頭集団の6名