2014 Tour de l’Abitibi
Stage7 98.3km
第7ステージは30kmの平坦を走った後は第5ステージと同じコースとなり、ラスト5.4kmの周回を3周してゴールする。
デンマークのスプリンターNORSGAARD Jorgensenが個人総合2位のアメリカのMOSTOV Zekeから2秒遅れの3位のため、スプリント賞、ゴールでのボーナスポイントで個人総合3位から2位へのジャンプアップを狙うので総合リーダーを擁するフランスとデンマークで集団をコントロールすることが予想された。アメリカはデンマークにボーナスタイムを獲らせないように逃げを作り、個人総合2位を守る動きをしてくるであろう。日本チームは小山、冨尾が逃げに乗ることで、スプリントに強い布陣で臨んできているフランス、デンマークのアシストの脚を使わせゴール勝負を有利に進めたい。今日も孫崎をエースにして、草場の誘導で松本、孫崎を最後のスプリントに持ち込むことを確認する。今日はスプリント勝負になることが予想されたので、孫崎、松本は基本的には逃げに乗らずにゴールスプリントに集中する。ラストの周回コースに入ったら水谷、小山、冨尾はゴール前のアシストの柱となる草場をフォローする形で走る。
スタートと同時に非常に速いペースでレースは進む。スタートして6kmで小山の攻撃により10名の逃げが形成される。集団のペースは速く、予想通り逃げを行かせたくないデンマーク、フランスが集団コントロールをする。30kmあたりから向かい風に変わり、フランス、デンマークのアシストは消耗する。スプリントの得意な選手の多いフランス、デンマークの選手が消耗することで、孫崎の集団スプリントで勝負する日本チームにとっては有利な展開で進む。
最大45秒までタイム差が開いたが、35kmでボーナスタイムを稼ぎたいデンマークが向かい風の中でペースを上げて小山らの逃げを吸収する。その後は逃げを決めたいアメリカが攻撃をかけ続ける。フランス、デンマークがこれらの逃げをいかせないように対応する。周回コースに入りすぐに冨尾が集団から遅れる。集団スプリントに向けてフランス、デンマークが強力にコントロールする。日本チームは草場、松本、孫崎、小山、水谷がまとまりゴール勝負に備える。ラスト2周からは集団も激しい動きになり。水谷、小山はまとまれず草場、松本、孫崎の3名で最終局面にむけて動く。周回コースには向かい風区間もあるが、草場が松本、孫崎のために自分を捨てて献身的に良い位置をキープし続ける。草場はラスト400mまでの向かい風区間まで牽ききり、最高のポジションから松本、孫崎のスプリントが始まる。追い風でのスプリントで、松本の先行からラスト150mで抜け出した孫崎がステージ優勝した。松本も粘ってステージ4位に入り、日本チームでこの日だけでネイションズポイントを10ポイント獲得した。
この日はチームでのスプリントの連携がしっかりとれた。草場もスプリント力がある選手ではあるが、チームでステージ優勝するために一番きつい役割をしっかりこなしてくれた。今回の遠征では集団スプリントの連携をステージ毎に向上させ、今までフランスが行なってきたスプリントの連携を今日は日本チームが行ない勝つことが出来た。(JCFロード部会員 柿木孝之)
Stage7 98.3km
1 孫崎 大樹(北桑田高)2時間9分57秒
2 AMINE GALDOUNE Ahmed(モロッコ)同タイム
3 CANAVERAL VARGAS Joh(コロンビア)同タイム
4 松本 祐典(明治大)同タイム
55 水谷 翔(南大隅高)同タイム
106 小山 貴大(前橋育英高)同タイム
111 草場 啓吾(北桑田高)同タイム
126 冨尾 大地(南大隅高)4分59秒差
個人総合成績
1 BOUHANNI Rayane(フランス) 13時間8分47秒
2 MOSTOV Zeke(アメリカ)19秒
3 NORSGAARD Jorgensen (デンマーク)23秒差
20 孫崎 大樹(北桑田高)1分10秒差
28 松本 祐典(明治大)1分36秒差
45 小山 貴大(前橋育英高)2分21秒差
48 草場 啓吾(北桑田高)2分39秒差
86 水谷 翔(南大隅高)11分17秒差
116 冨尾 大地(南大隅高)45分31秒差