第5ステージは宿舎となっている高校から150km以上離れたLabel-sur Quevillonの街の8kmの周回コースを13周する104kmで争われた。全体的に平坦コースであるが、ラスト1kmから200mほどの登りがあり、そこから先は下ってゴールとなるため、この登りでは集団前方にいないとジュニアギア制限があるため勝負は出来ない。
昨日のレースで落車した石上は軽い脳震盪の症状が出ており、ドクターとも相談してこの日の出走はしなかった。チームのキャプテンの石上の離脱はチームには大きな痛手ではあるが、残った4名でステージ優勝を狙っていく。
レースが始まると昨日と同じく個人総合1,2位を擁するアメリカが昨日と同じく攻撃を開始したため、非常に高速な展開でレースが進む。数名の逃げは出来るが20秒以上の差が開くことは少なく、クリテリウムのように逃げが出来ては追走が入り集団は1つになるという展開が続く。逃げが許されない中、大きなタイム差で個人総合トップのMCNULTY BRANDON(アメリカ)が2名でアタックをかけて20秒ほどの差をつけるが、ステージ優勝にかけるケベックチームが追撃をかけて吸収する。その後もBRANDONは力をみせつけるようにアタックをかけるが、この日はステージ優勝したいチームが意地を見せて集団をまとめる。ラスト3周で16名の逃げが出来、そこに小野が入る。メイン集団とは30秒以上開いたが、ようやくここでアメリカがコントロールを開始して集団をまとめ、最後はゴールスプリントとなる。この日はステージ優勝をするためにチームでまとまった動きをし続けたケベック代表チームのエースCOTE PIER-ANDREを集団スプリントを制した。
日本チームはこの日も小野がチームのために集団前方をキープし続けたが、渡辺、沢田は小野がキープするポジションから離れてしまい、先日と同じく別ラインでスプリントをすることになった。アメリカチームは強力なスプリンターがいないが、ゴール前でも皆でまとまってチームで動いて集団前方をキープし続けてスプリントに絡んでくる。スプリント力を活かすためには、スプリント出来る場所にいなければ勝負に加われない。最終局面においてチームでまとまる難しさを選手は感じているが、ここの力を身につけなければネイションズカップで集団スプリントでのステージ優勝は出来ない。
日本チームは4名となり、チームでまとまって戦うのは難しい状況ではあるが、明日のステージではよりまとまって小野、沢田のスプリントで勝負を狙う。(JCF強化コーチ柿木孝之)
第5ステージ結果
1 COTE PIER-ANDRE(ケベック)2時間13分50秒
2 BARBIER PIERRE(フランス)同タイム
3 COSTA ADRIEN(アメリカ)同タイム
9小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)同タイム
15沢田桂太郎(東北高等学校)同タイム
31大町 健斗(安芸府中高等学校)同タイム
49渡辺 歩(学法石川高等学校)同タイム
DNS石上 優大(横浜高等学校)
第5ステージ後 個人総合成績
1 MCNULTY BRANDON(アメリカ)8時間20分20秒
2 COSTA ADRIEN(アメリカ)13秒差
3 COTE PIER-ANDRE(ケベック)45秒差
22渡辺 歩(学法石川高等学校)2分29秒差
24沢田桂太郎(東北高等学校)2分41秒差
33小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)3分45秒差
83大町 健斗(安芸府中高等学校)8分52秒差