2009/06/14

トロフェオ カールスベルク 速報

3st-23-1ステージ(タイムトライアル)

今日は午前9時45分から11.7kmのタイムトライアル。選手はホテルから10kmほど自走でスタート地点に向かう。選手とコースを再確認して踏まないといけないところを指示する。今日は風もなく、コースは下り基調で途中石畳の登り坂が300mほどあるがコーナーも少なく、難度は低く、選手の力が要求される。

スタートとゴール地点が別の場所のため、伴走する車はゴール後、スタート地点まで全開で走らないと間に合わないので選手がゴールするのを見届ける間もなくゴールに向かわなければならない。

日本の選手は木下、野口、大中、笠原、西沢の順でスタート。

車で各選手を後ろから見ていると、改善点がたくさん見つかる。タイムトライアルはちょっとしたことの積み重ねで可能な限り速いスピードでゴールを目指せねばならないが、そのあたりの意識がジュニアの選手はまだ低い。また強豪選手はほとんどアウタートップで下るようなところを日本の多くの選手はトップまで踏めていない。彼らの多くは来期アンダー23のカテゴリーで走ることになるが、ギア制限のなくなるアンダー23になると、このままではますます世界との差が開いてしまう。早急な改善が選手に求められる。本日優勝した選手の平均スピードは49.973km/h。それに対して日本の選手で一番速かった木下選手で44.66km/h。

1位 VAN BAARTE DYLAN オランダ  14分02秒850

2位 BROWN NATHAN アメリカ  14分07秒170

3位 ANDERSEN MICHAEL VALGREN デンマーク 14分07秒780

4位 SUETTERLIN JASHA ドイツ2 14分8秒790

5位 HANSEN LASSE NORMAN デンマーク 14分9秒580

6位 ARNDT NIKLAS ドイツ1 14分12秒120

88位 木下     15分43秒120

92位 笠原     15分46秒470

101位 大中     15分57秒780

107位 西沢     16分6秒450

108位 野口     16分6秒860

3-2 ステージ

選手はタイムトライアル後ホテルまで12kmほど自走で帰りすぐに昼食。1時間後にはまた午後のレースの下見をしながらスタート地点まで向かわなければならない。午後のコースはスタートして10kmほどから1周14kmの周回を2周。その後またスタート地点の町に戻りそこを4周半通過してゴールする。山岳ポイントがスタート地点から11.6km地点にあり、そこの登り入り口は狭く、コーナーを曲がったら石畳の登りが続く。登りきって右折するとそこからさらに15パーセント以上の急勾配の登りが待ちうける。1.5kmほどと短い坂ではあるが落車の危険を回避するためにもこの登り入り口を前で通過するように指示を出す。

スーパーや商店が並ぶ町を15時45分にスタート。今日は日差しもあり、25℃ほどで暑く感じる。レースはハイペースで進むが、5kmほどで木下選手、ノルウェー、ドイツ1、デンマーク、スロベニアらが逃げる。集団と200mほど差をつけるが集団をリーダーチームのオランダが引いておりなかなか差が広がらず。石畳の登りの途中までは逃げるがそこで集団に追いつかれる。その直後に日本選手がメカトラとの情報が入る。野口選手がチェーンを外したようで、ニュートラルに押されて集団を追いかける。野口選手は集団から離れたところをチェコの選手と一緒に追いかけているが脚を使って集団を追走してしまい、次の周回の登りの石畳が心配される。前方の集団では21km地点で再度木下選手がアタックをかけているとラジオツールは伝えるが暫く後に吸収されてしまう。2度目の登りでは集団復帰に脚を使った野口選手がまた遅れてしまい、完走を目指す。

そのとき、今日は前半からアタックを続けざまにかけていた木下選手が障害物に接触して落車。フォークが真っ二つに割れていたので代車の準備をするが、ペダルが木下選手の使用タイプと別タイプのため使えず、その場でリタイア。良い動きをしていただけに残念な結果となった。怪我は擦過傷のみで済んだのが不幸中の幸いである。

30kmを過ぎたあたりのアタックに笠原選手が入るが暫く後に吸収される。40kmあたりで別のアタックが起こり、8人の逃げが出来、笠原選手が再びここに入る。メンバーもよくタイム差は一気に25秒差まで広がったが、徐々に縮まり50km地点ではまた一つの集団になる。そのまま何も起こらず次の小さな周回コースへ。ここは危険な箇所がいくつかあり、さらにゴール前は道がうねっていてかなり危険なスプリントが予想される。周回ではいくつも動きはあるがどれも決まらない。

ラスト8kmからイタリアが列車を組み、集団をコントロール。最後は非常に危険なスプリント勝負でイタリアが1位と3位。落車が数度起こるが日本の選手は先頭グループで笠原、西沢、大中がゴール。野口は集団から遅れてゴール。先頭の平均時速は43.491km/h。

明日は4kmほどの登りを含む厳しいコース。最後のステージであり、選手には集中して頑張ってもらいたい。

1位 ZANA BRUNO イタリア 2時間2分47秒

2位 DZAMASTAGIC MARK スロベニア 同タイム

3位 WACKERMANN LUCA  イタリア

4位 HALLER MARCO    オーストリア

5位 ARNDT NIKLAS     ドイツ

6位 MANNION GAVIN    アメリカ

79位 笠原                 同タイム

87位 西沢

95位 大中

112位 野口            17分24秒差

木下はリタイア

3st-2終了後の個人総合成績

1位 VAN BAARTE DYLAN オランダ

2位 ARNDT NIKLAS ドイツ1

3位 CRADDOCK LAWSON アメリカ

4位 HOVMAND EMIL デンマーク

5位 BROWN NATHAN アメリカ

6位 ANDERSEN MICHAEL VALGREN デンマーク

79位 笠原  1分55秒遅れ

86位 西沢  2分9秒遅れ

95位 大中  2分34秒遅れ

112位 野口  20分26秒遅れ

(柿木孝之)