2016/08/07

リオ五輪<レポート>#3

■男子ロードレース 新城27位、内間は途中リタイア 20160806
リオデジャネイロ五輪第2日となる6日、自転車競技は今大会最初の種目、男子ロードレースが行われた。レースは事前に予想された通り、終盤に設定された2つ目の周回コースを舞台に過酷なサバイバルレースが展開し、最後はベルギーのファンアーベルマートが、3人によるゴールスプリントを制して金メダルを勝ち取った。日本期待の新城幸也は最終盤までメイン集団に食らいついていたが、勝負がかかった最後の上りで集団から離され、結局トップから9分38秒遅れの27位でフィニッシュ。その新城を終盤まで献身的にサポートし続けた内間康平は、2つ目の周回コースに入った直後の上りで他の選手と接触して落車。そのままリタイアとなった。
今年2月にカタールで行われたレース中、落車により大腿骨骨折という大けがを負った新城は、その直後から復帰へ向けた強い意志で壮絶なリハビリを行い、早くも5月には国内でレースに復帰。そしてロードレースの最高峰ツール・ド・フランスにも出場、そして完走を果たした。その後4年越しの思いを果たすべくこの2度目のオリンピックに臨んだ。準備は万端、サポートも完璧、気持ちは充実、戦略も十分に練った。「あとは日本初のメダルを目指して走るだけです。」と前日言い切った新城だったが、自分でもそれができるかどうかのカギと認識していた最後の上りで力尽きてしまった。自分だけの力でここまで来れたわけじゃない。いろんな人の支えがあったからこそ今の自分がある。そんな思いがある新城は、レース後悔しさをにじませながら語った。
「メダルには届きませんでした。4年間待ちに待ったリオでしたけど・・・、またリベンジですね。前のロンドン(47位完走)では展開にはまれず。今回のリオでは展開にははまったんですけど、力不足でちぎれてしまいました。レース運びは完璧でした。内間もしっかり働いてくれました。大きなトラブルもなく脚をためた状態で海岸線を戻って、2つ目のサーキット(周回コース)手前の上りでも、ここで前に出ようと決めていたところでちゃんと内間が引っ張ってくれて前に出られました。サーキットに入ってからは1周目でやはり集団が50人ぐらいに絞られて、そこから力勝負になりました。僕としては耐えるだけだったんですけど結局最後の周回の上りですよね、そこでのペースアップについて行けずに力尽きてしまいました。それまでは完璧に展開にはまっていたんですけど、最後の最後についていけなかったのはもう僕個人の責任ですね。ちぎれてしまってゴールまで向かう間は悔しさしかありませんでした。ケガした僕を選んでくれた浅田監督始め、この日のために僕をずっとサポートしてくれた人たちの期待に応えられなかったのはとても残念です。でもまぁ、また4年待ちます。この悔しさを4年後にぶつけます。日本にはまだロードのメダルがないので、それを目指します。」
(伴 達朗)