■女子タイムトライアル アームストロング(アメリカ)が3大会連続の金メダル 與那嶺恵理は15位 20160810
リオデジャネイロ五輪第6日となる10日、自転車競技はロード競技の最終種目タイムトライアルが、先日のロードレースでも使われたグルマリの周回コースを舞台に開催された。最初に行われた女子は、参加選手25人。距離は、グルマリ周回コース(1周24.8km)を1周に、スタート・フィニッシュの海岸線部分を加えた29.7km。未明から降り出した雨が強風とともに吹き付ける悪コンディションの中、女子最速を決める戦いは予断を許さない展開となったが、最終走者として出走した42歳のベテラン、アメリカのクリスティン・アームストロングが、中間計測で一時はリードを許したロシアのザベリンスカヤとの接戦を制し、オリンピック3連覇の偉業を達成した。
日本の女子として初めてこの種目に出場した與那嶺恵理は、出走25人中4番目にスタート。欧米の選手と比較すれば細く小さな体で、自身初のオリンピックを納得のいく形で終わらせるべく必死の走りを見せた。與那嶺は、最初の10kmの中間計測地点で16位、2回目の19.7kmの計測地点を15位で通過。そしてそのまま最後まで粘りきり、最終15位のタイムでフィニッシュした。
<女子タイムトライアル最終成績>
優勝 C.アームストロング アメリカ 44分26秒42
2位 O.ザベリンスカヤ ロシア +5秒55
3位 A.ファンデルブレッヘン オランダ +11秒38
15位 與那嶺恵理 日本 +2分16秒67
○與那嶺恵理
今日はロードレース(7日)の疲れがちょっと残ってましたけど、やるだけやろうと思って臨みました。アップダウンが多い変則的なコースだったので途中自分がどれぐらいのスピードが出ているのかは正直掴めませんでした。危険な下りもいくつかあるのでとにかく気を抜かず走ることに集中していました。でもタイムトライアルに関してはまだまだやることがいっぱいあるというのが実感です。もっともっと強くなりたいです。次の東京ではタイムトライアルでメダルを獲るというのが目標なので、あと4年、一つずつ課題をクリアしながら、どんなコースでも力を発揮できるようにしていきたいです。
■男子タイムトライアル
女子に続いて行われた男子タイムトライアルには35選手が参加。そうそうたる顔ぶれが終盤続々とスタートしていく中、風雨にさらされたこの悪コンディションをものともせずパワフルな走りを見せたのは、最後から5番目に出走したスイスのベテラン、カンチェラーラ(35)だった。カンチェラーラは出だしから快調な走りを見せたものの、中盤オーストラリアのデニスやオランダのドゥムランらの抵抗にあい苦戦。しかし、過去4回この種目で世界チャンピオンの座についている35歳のベテランは、終盤その輝かしい戦歴を見せつけるかのような走りを見せ、終わってみれば2位に47秒差をつける圧勝。北京大会以来2回目のオリンピック金メダルに輝いた。
<男子タイムトライアル最終成績>
優勝 F.カンチェラーラ スイス 1時間12分15秒42
2位 T.ドゥムラン オランダ +47秒41
3位 C.フルーム イギリス +1分02秒12
リオ五輪自転車競技は、明日からトラックに戦いの場を移す。(伴 達朗)