2012/08/13

ロンドンphoto 20120812

<男子クロスカントリー 山本幸平は27位>
ロンドンオリンピック最終日の12日、自転車競技はマウンテンバイク男子クロスカントリーが、ロンドン東部エセックスのハドレー・ファームで行われた。レースはスタート後にまず1周440mの短い周回ルートを巡り、その後1周4.82kmの本コースを7周回(1周目のみ4.72km)、計34.08kmで争われた。優勝したのは、現世界チャンピオン(2011)のヤロスラフ・クルハビー(チェコ)。タイムは1時間29分7秒だった。日本から出場した山本幸平は6分19秒差で27位だった。

この日の天候は晴れ。気温21度。照りつける強い日差しには数字以上の暑さを感じた。午後1時30分、31カ国47人の選手がスタート。壮絶なポジション争いが繰り広げられる中、最初のコーナーを回る集団の中でいきなり落車が発生。4列目スタートの山本もまずこの混乱で後れをとってしまった。また今回最も注目を集めた選手、オリンピック3大会連続金メダルを目指して出場したフランスのアブサロンが、本コース1周目の岩場下りでパンクのトラブルに見舞われその後リタイア。そのアナウンスが流れたとき、今日も2万以上を集めた会場が一瞬どよめいた。レースは1列目・2列目スタートの有力選手がハイスピードで引っ張る形で進み、序盤からサバイバルレースの様相を呈した。そんな中4周目に入った辺りでクルハビーを含む5人がまとまって先行し後続との距離を開いていった。そして6周目、その集団からクルハビーと、今シーズンW杯に5戦出場して3回優勝というスイスの強豪シュルター、そしてイタリアチャンピオンのフォンタナが抜け出し、金メダル争いはいよいよ佳境に入った。最終周回、3人激しいせめぎ合いが続く中、周回半ばでフォンタナが脱落。残るはクルハビーとシュルター。2人は抜きつ抜かれつの壮絶なデッドヒートを繰り広げ、それはフィニッシュ直前のメインスタンド前まで続く。そして最後の最後にクルハビーがシュルターの追い上げを振り切り、金メダルを獲得となった。

スタート直後の落車の影響で後れをとった山本は、本コースの1周目を33位で通過。しかしそこから粘り強く自分をプッシュし続け、最後は27位でフィニッシュ。前回の北京大会では途中ラップアウトの悔しさにレース後涙も見せたが、今回は笑顔も交えた納得の表情でレースを終えた。

■山本幸平選手
「楽しかったです。今の力は出し切れました。また1レース1レース力をつけて世界に挑んでいきたいですね。スタートで落車に巻き込まれ後れてしまったんですけど、今日は追い込まないといけない日で、レースを諦める理由は1つもなかったので、ゴールだけを目指して走り続けました。レース前はやるしかないという気持ちでスタートラインに立ちました。精神状態もすごく良くて、前回の北京の時と比べると自分の成長を感じました。今は世界一のチーム(スペシャライズドレーシングチーム)に所属しているので、ここでもっと多くのことを学んで、もっと強くなるようにがんばっていきたいです。」