2012/08/12

ロンドンphoto 20120811

<女子クロスカントリー 片山梨絵は20位>
ロンドンオリンピック自転車競技の最後の競技として今日11日に始まったマウンテンバイク。この日は女子クロスカントリーが、晴天のもと2万人を越える観客を集めて行われ、今年のU23の世界チャンピオン、フランスのジュリ・ブレセが金メダルを獲得した。日本から出場した片山梨絵は20位だった。

ロンドン中心部から60kmほど東に位置する丘陵地帯ハドレー・ファームが舞台となったマウンテンバイク競技。コースはこの丘陵のアンジュレーションを巧みに取り入れた1周4.82kmのサーキットで、途中数カ所に人工的に作った岩の路面や樹林の中のシングルトラックなど高いスピード能力と繊細なテクニックの両方を要する、まさにオリンピックにふさわしい難易度の高い構成となっている。今日行われた女子は、440mのスタートループとサーキットを6周回で総距離29.26km(1周目のみ4.72km)の戦いとなった。

レースは、UCIランキング上位者が並ぶ1列目・2列目スタートの選手が、ハイスピードで引っ張る形で進むが、3周目に入る辺りからトップ争いは、フランスのブレセ、北京大会金メダルのドイツのシュピッツ、そしてアメリカチャンピオンのグールドの3人に絞られた。4周目に入るとトップを引くブレセがピッチを上げ、追走するシュピッツ、グールドとの差を徐々に開いていく。そして5周目に入る時点で約20秒、6周目(最終周回)に入る時には約1分の差をつけ、最後は余裕の金メダルフィニッシュを果たした。2位には、ブレセから1分2秒後れてドイツのザビネ・シュピッツ、3位には1分8秒後れてアメリカのジョージア・グールドという結果だった。日本の片山は、スタートが最後列の4列目ということもあって、スタートループから後方での追走を余儀なくされ、1周目を終わった段階ですでにトップと1分以上の差をつけられてしまった。結局片山はトップから7分34秒後れの20位。しかし初めてのオリンピックだった前回の北京大会では最終周回を前にタイムオーバーによるラップアウト(成績は今回と同じ20位)で涙をのみ、また今回のオリンピックに向けては出場枠獲りに孤軍奮闘するも本予選では枠を得られずワイルドカードで果たしたという過程もあって、フィニッシュ後の片山の表情には結果の良し悪しよりも走り遂げた充足感に満ちていた。

■片山梨絵選手
「あっという間に終わっちゃいましたね。北京の時は完走できず悔しい思いをしたのですが、今回は完走できて良かったです。スタート前は良い感じの興奮状態でした。ここまで海外でのレース経験を積み重ねてきたので回りもみんな知っている選手だし変な緊張はありませんでした。レースは、やっぱりもっと前で走りたかったですね。最初のうちみんな結構焦っていてハンドリングがめちゃくちゃだったので、前に抜け出すチャンスはあると思っていたのですが、最初のテクニカルセクションに入る手前の位置取りで負けてしまい出遅れてしましました。でもロンドンを走れて良かったです。この4年間自分に対するいろいろな挑戦ができので楽しかったし、またこれからの人生に絶対生きてくる経験ができたと思っています。競技は今年で最後と思いますが、これからは前から考えていた教職の道に進もうと思います。自分が強くなろうと思ってやってきたことは、高校生などが社会に出る前に身につけるべきこととすごく共通点があると思うので、そういう分野で自分の経験を生かすことができればと思います。」

マウンテンバイクはロンドンオリンピック最終日の明日、日本から山本幸平が出場する男子クロスカントリーが行われる。今日の女子のレース前、最終調整のため会場を訪れていた山本にレース前日の心境を聞いた。(選手強化スタッフ広報担当)

■山本幸平選手
「今日ちょっと走ったんですけど、体の反応も良いし、心拍もスムーズに上がるので調子はいいと思います。スピードが出るコースですけど、細かいアップダウンと神経を使うセクションがかなりあって休む時間がすごく少なくなると思うので、集中を切らさないことが重要ですね。あと後半疲労がきた時にどれだけ集中してプッシュし続けられるかが勝負ですね。4年間ずっと思い続けてきたこの舞台で、明日走れることにワクワクしています。スタート前多少緊張するかも知れませんが、それもトレーニング段階でイメージしてきたことなので、全てをパワーに変えて全力を出し切りたいです。目標は順位云々ではなくて、自分自身を攻め続けることです。そうすれば最高の笑顔でゴールできると思います。順位的にはトップ10をイメージしていますが、それは後の話で、とりあえず自分に負けないことを目標にがんばりたいと思います。」