2008/08/13

北京オリンピックレポート 2008/08/13<男子個人タイムトライアル>

8月13日・北京オリンピック6日目。ロード競技の最終種目、女子と男子の個人タイムトライアルが、万里の長城周辺の周回コースで行われ、日本からは男子の部に別府史之が出場した。この日の天候は、女子の部の最初の走者がスタートする午前11時半時点で、空は薄曇りで気温27℃、湿度80%。相変わらず湿度は高めだが、ロード競技が行われた3日間の内では一番凌ぎやすい天候だった。
先に行われた女子の部は参加選手25人。コースはロードレースと同じ万里の長城・八達嶺で折り返す周回コースを1周回、距離23.5Kmで争われた。1人ずつ2分間隔で次々にスタートする競技は、5番目スタート、イギリスのプーリーが出した35分16秒01というタイムが終盤までトップタイムとして残り、これを誰が破るかという展開になった。結局これを破ってオリンピックチャンピオンの座に着いたのは、25人中20番スタートのアメリカのクリスティン・アームストロングだった。タイムは34分51秒72。2位プーリーとのタイム差は24秒29だった。
続いて午後1時30分にスタートした男子は参加選手39人。女子と同じ周回コースを2周回、距離47.3Kmで争われた。男子の部は、コース上の混雑を避けるため、13人ずつ3ヒートに分かれ、各選手のスタート間隔は1分半、ヒート間隔は40分で競技は行われた。
第1ヒートの2番目スタートとなった別府史之は、午後1時31分30秒、やや緊張の面持ちでペダルを踏み出した。最初のチェックポイントは上りの頂上、10.8Km地点の万里の長城・八達嶺。1番スタート・アルゼンチンのメディチの通過から2分以上経って別府の姿が見えてきた。歯を食いしばり必死の形相で坂を上る別府。赤白のジャパンのウェアは、すでにびっしょりと汗で濡れている。4日前のロードレースでは暑さで脱水症状を起こしてのリタイア。不安がよぎる。別府の通過タイムはメディチから後れること48秒。上位進出はこの時点ですでに絶望的だ。2回目のチェックポイントは1周目が終わるフィニッシュライン。別府は先行するメディチからなおも後れ、2分46秒差で通過。そのすぐ後ろにはもう次の選手、そしてスピードがあるその次の選手も姿を見せている。別府はここでも苦しそうな表情を見せながら2周目の上りに向かっていった。
結局別府のフィニッシュタイムは1時間11分5秒14。トップタイムから後れること8分53秒。39人中最下位の成績だった。

<別府選手コメント>
精一杯がんばりました。自分の今の力は最大限出し切りました。ロードレースからの気分転換は上手くできて、今日は集中してベストの状態で臨んだんですけど・・・。タイムが出なかったのは僕自身に別の問題があるということだと思います。これからは根本的な部分を一からやり直してまたがんばります。そしてまたオリンピックに戻ってきたいと思います。

男子個人タイムトライアル。競技の方は、スウェーデンのラーソン、アメリカのレイフェマー、スペインのコンタドール、そして、最終走者スイスのカンチェッラーラがデッドヒートを繰り広げる展開となったが、最後は昨年のTT世界チャンピオン、スイスのファビアン・カンチェッラーラが、最終チェックポイントでトップだったラーソンを逆転して金メダルを獲得した。フィニッシュタイムは、1時間2分11秒43。平均時速は45.633Km/hだった。