2008/08/18

北京オリンピックレポート 2008/08/17<男女スプリント初日>

8月17日・北京オリンピック10日目。トラック競技は中日3日目を迎え、この日からの3日間は男女スプリントを中心に競技が進行する。日本からはこの種 目に男子は渡邉一成、北津留翼の2選手、そして女子は佃咲江が出場した。この日は予選から1/8決勝までが行われたが、女子の佃は予選のタイムが12秒 134とふるわず、1回戦となる1/8決勝では今年の世界チャンピオン、イギリスのペンデルトンに、次の敗者復活戦もベラルーシのツィリンスカヤの逃げに 歯が立たず、勝ち上がりは果たせなかった。佃はこの後トラック競技最終日に行われる9−12位決定戦に出走する。
男子の渡邉と北津留は、予選は渡 邉が10秒346で11位、北津留が10秒391で14位の成績で通過。しかし、本選1回戦となる1/16決勝で、渡邉はイタリアのキアッパの逃げを崩せ ず、北津留もフランスのブルガンに先行を許し、ともに敗者復活戦に望みを託すこととなった。
その敗者復活戦。2組目出走の北津留は、マレーシアの アワン、ポーランドのクウィアコウスキーとの対戦。一番外からスタートとなった北津留は、前に2人をおいて追走、踏み出しの機会をうかがう。そして残り1 周半となるバックで最初に仕掛けたのは2番手につけていたアワン。鋭い踏み出しで抜け出すと一気の加速で先行態勢に。北津留もこれに合わせて踏み出すがス ピードの伸びが違う。1着アワン、2着北津留。北津留翼初めてのオリンピック挑戦は、スプリント1/16決勝・敗者復活戦敗退という結果に終わった。一方 の渡邉は3組目に出走。対戦するのは中国の張にアメリカのブラッチフォード。インスタートの渡邉は先頭で後ろ2人の出方をうかがう。残り1周半、2番手に つけていた張が踏み出し渡邉をかわして先頭に出る。しかし渡邉は落ち着いてその後ろを追走、巻き返しのチャンスをうかがう。そして最終バック、後方からの ブラッチフォードの追い上げに合わせて渡邉がスパート。張をかわして1着ゴールを果たし、1/8決勝に駒を進めた。
渡邉の1/8決勝。これに勝て ば渡邉が目標としていたベスト8に進出できる。しかし対戦相手は世界チャンピオン、イギリスのクリス・ホイ。現在世界最速・最強と言われる相手との力の差 は歴然としていた。渡邉はホイの先行にただ追走するのみに終わり、再び敗者復活戦に望みを託すこととなった。
渡邉の1/8決勝・敗者復活戦。これ がベスト8進出に向けての最後のチャンス。負ければ勝ち上がり戦から敗退となる。渡邉が戦う相手はフランスのシローにオーストラリアのベイリー。インス タートの渡邉は、後ろにシロー、そしてベイリーを見ながら先行態勢をとる。レースが動いたのは残り1周半のバック。シローが踏みだし渡邉をかわして前をと る。渡邉は前々走の敗者復活戦同様、2番手追走から最後に巻き返しを図るが今度は相手の力が違った。渡邉は今年のワールドカップ総合優勝者・シローの逃げ を捕らえられず2着でゴール。渡邉一成、初めてのオリンピックでのスプリント挑戦は1/8決勝・敗者復活戦敗退という結果に終わった。渡邉はこのあと、ト ラック競技最終日に行われ9−12位決定戦に出走する。

<北津留選手コメント>
何もできずに終わったので悔しいです。力の差がありすぎました。でもオリンピックに向けて自分がやれることはやってきたつもりなので、この結果はしょうがないと思います。
<佃選手コメント>
レースはダメでしたけど今後へ向けていい刺激になりました。対戦したイギリスのペンデルトン(現世界チャンピオン)もアテネの時は全然ダメだったと聞いたので、私も彼女のようにがんばろうと思います。
<渡邉選手コメント>
ベ スト8が目標だったので最後負けたのは悔しいですね。でも今日は自分の力は出し切れたと思います。明後日の9−12位決定戦もしっかり走って帰りたいで す。初めてのオリンピックは楽しかったですね。オリンピックを目指すことでこんなに自分が成長できるということを実感できたので、この経験を次の成長への 出発点に出来ればと思います。4年後のロンドンももちろん目指します。