8月19日・北京オリンピック12日目。トラック競技最終日。男女スプリントは残る準決勝・決勝と順位決定戦が行われ男子はイギリスのクリス・ホイが今大 会3つめとなる金メダルを獲得。そして女子は、同じくイギリスのヴィクトリア・ペンデルトンが初のオリンピックチャンピオンの座に着いた。イギリスはこの 男女スプリントを制したことでトラック競技全10種目中7種目で金メダル獲得ということになった。またこの日行われたもう一つの決勝種目・マディソンは、 レース序盤でラップを決めたアルゼンチンがそのまま逃げ切って初のオリンピックチャンピオンの座に着いた。
なお、この日、男女スプリントの1/8決勝で敗退した4選手による9−12位決定戦が行われ、日本からは男子に渡邉一成、女子に佃咲江が出場した。結果は両者共に4着と敗れ最終成績12位が決定した。
自転車競技は明日からオリンピック新種目のBMXが始まる。
<男子スプリント>
準 決勝となる1/2決勝は1組目がフランスのブルガン(28)対イギリスのホイ(32)、2組目がイギリスのケニー(20)対ドイツのレヴィ(21)という 組合せで行われた。3回の対戦のうち先に2回勝った方が金メダルを争う1−2位決定戦に駒を進めるこの戦い。1組目の対戦は現世界チャンピオン、イギリス のクリス・ホイの独壇場となった。1回戦は後方からの一踏みで、2回戦は大差をつける逃げでフランスの実力者ブルガンを寄せ付けず、難なく1−2位決定戦 進出を決めた。2組目の対戦はホイと同じイギリスの若きスプリンター、ジェイソン・ケニーが、同世代のライバル、ドイツのレヴィをストレートで下し、 1−2位決定戦進出を決めた。これでイギリスの金銀が決まった。
イギリス勢同士、クリス・ホイ対ジェイソン・ケニーの対戦となった1−2位決定 戦。1回戦はホイ先行でスタートするが残り2周となるホームでスピードをゆるめ追走のケニーを前に出す。緊迫したにらみ合いのままレースが進む中、残り1 周手前の3コーナーで先行のケニーがホイの不意をついてスパート。ホイは一瞬踏み後れたものの猛然とペダルを踏み込んで逃げる獲物を追う。そして最終コー ナーでこれを捕らえゴール先着。力の差を見せつけて1回戦を制した。
そして迎えた2回戦。先行はケニー。ホイはこれを4車身ほどあけて追走する。 半周を過ぎた辺りから徐々にスピードが上がる。そして残り1周手前の3コーナーで両者ほぼ同時に踏みだしスプリント勝負が始まった。逃げるケニー、追うホ イ。しかし、両者の力の差は明らかだった。ホイは必死で逃げ切りを図るケニーを最終3コーナーで捕らえ、最後は右コブシを挙げてゴール。チームスプリン ト、ケイリンに続いて3つめの金メダルを手にした。
<女子スプリント>
決勝となる1−2位決定戦は、予選から完璧な走りで勝ち上がったイギリスの世界チャンピオン、ヴィクトリア・ペンデルトン(27)と、準決勝で地元中国の郭を決定戦の末に下して勝ち上がったオーストラリアのアンナ・メアーズの対戦となった。
1 回戦、先行はペンデルトン。残り2周過ぎまでスローペースのにらみ合いが続くが、残り1周半となったバックで追走のメアーズがスピードを上げながら外に膨 らむ。そしてこれを見たペンデルトンが一気にスパート。メアーズも踏みだし追走するがなかなか差が縮まらない。ペンデルトンは、500mTT世界記録保持 者メアーズの追撃を最後まで寄せ付けず1回戦を制した。
続く2回戦はメアーズが先行。レースは睨み合いのまま徐々にスピードが上がる展開となった が、残り1周のホーム手前で後ろのペンデルトンが外に上がって一気の踏みだしをかけた。メアーズも踏みだしこれに応戦するが、スピード上位のペンデルトン があっという間にメアーズを抜き去り勝負を決めた。