トラック最終日、日本は大城竜之・高橋仁ペア(視覚障害男子B&VI、高橋はタンデムパイロット)が出場するタンデムスプリントだ。
午前9時半か らの予選ハロンでは、10秒842という公式大会自己ベストをマークし、4位につける。1位はやはり強いイギリスのKappes/Storeyペアで10 秒536のパラリンピック新記録。しかし、彼らが持つ10秒410の世界記録には及ばない。2位がオーストラリアペアで10秒629、3位は南アフリカの 10秒641。大城・高橋ペアは十分に狙えるタイムだ。
昼からの1/4決勝では5位のカナダペアと対戦。危なげなくストレートで下し、準決勝へ。昨年同様、最強ペアのイギリスとだ。
1/4決勝は軽く流したイギリスペアを、大城・高橋は本気にさせた。準決勝1本目、逃げたKappes/Storeyを追ったが及ばず。上がりタイムは10秒747。2本目もまくれず、日本は3位決定戦へ。相手は、南アフリカのKilpatrick/Thomsonペア。
英・豪・南アフリカのいずれのペアも競輪選手顔負けの体格。しかし、大城・高橋ペアはタイム・技術では引けをとらない。
銅 メダルをかけた3位決定戦、1本目南アフリカはスタートから飛び出すという奇襲に。満員の場内が大いに沸く。まるで個人追い抜きのような南アフリカの走り を必死に追う日本。やがて追いつくと、今度は一気にスパート。最終バックでは南アフリカはあきらめ、1本目は日本が先取。
迎えた2本目、不可解な 事態が連発した。6周回のうち、3周回をまわり2角を出たところで南アフリカがインを切り込み日本も下がると、突然ピストルが打ち鳴らされる。いったい何 のことか分からず、客席で見ていた各国スタックも”おい、何があったんだ?”と両手を広げてた。“Re−start(再発走)だ”という説明を受け、アナ ウンスも流れた。それ以外、明確な状況説明は無いまま、再びスタート。今度は積極的に出た大城・高橋だったが南アフリカペアのまくりに屈して、1-1のタ イで3本目、と思われたが、電光掲示板には 3位RSA,4位JPN の表示が。 何かの間違いと思われたが、これで終わり、南アフリカの銅メダル、との 発表。 ピストルが鳴ったのは、日本の走行違反により2本目は日本降格・南アフリカが取った、Re−startは3本目となった、とのこと。
日本チームはこれに対して猛抗議したが、 結果は覆らず納得のいかない後味の悪い結果となった。しかし、まだ大会は続く。後半のロードも期待が持てるので、気持ちを切らすことなく、リフレッシュして挑んで欲しい。これは簡単なことではないが、そうしなければならない。