2011/06/20

第27回全日本学生選手権個人ロード結果

日本学生自転車競技連盟(学連)が主催する全日本学生選手権個人ロードレース大会が、6月18−19日に長野県木曽郡木祖村奥木曽湖の特設コースにて行われ、男子は山本元喜(鹿屋体育大学)、女子は田中まい(日本体育大学)がそれぞれ初優勝となった。

1周9kmのコースを男子は20周、女子は11周し、それぞれ最後に1km8%の登りを越えたところでゴールとなる。U-23の世界選手権などで開催される距離を考慮して181km、100kmとなっており、国内ワンデイレースでも長めの設定だ。

18日(土)に行われた女子のレースでは、オープン参加を含め19名が出走した。メンバーの多い鹿屋体育大学と日本体育大学が主導でレースは進み、周回を重ねる毎に徐々に人数が減って行った。しかし、大きな逃げができる程ではなく、残り3周の時点で、先頭は9名となった。そこから飛び出したのは、塚越さくら(鹿屋体育大学)。10周目にして一番早いラップを刻み、一時集団との差を50秒程に広げ最終周回に突入する。このまま逃げきりかと思われたが、田中まい(日本体育大学)と明珍裕子(朝日大学)が猛追し、塚越を吸収。そのままの勢いで今度は田中が独走態勢となり、二人を振り切り優勝した。後方では塚越が落車で遅れ、明珍が2位。塚越は3位となった。田中は全日本学生個人ロードタイムトライアルでも優勝し二冠を達成した。

日曜日に行われた男子レースは150名が8時にスタート。1周目から鹿屋体育大学や中央大学が主導で集団を牽引し、今日のレースに対する意気込みをアピールする。例年だと早くて13分前後となるラップだが、12分前半のラップで序盤の周回を刻み、早々に集団が3つ程に分裂する。(日本学生自転車競技連盟)

先頭集団は鹿屋体育大学、中央大学、法政大学、日本大学らの有力選手が多数含まれた23名で、早くも優勝争いが見えて来る。ただ、有力選手が集まりすぎて、お互いの出方を探りあう状況となり、10周目までは淡々とペースが刻まれ、アタックで抜け出すような選手が現れない。均衡を破ったのは、山本元喜(鹿屋)。中根英登(中京)、早川朋宏(法政)、飯野智行(中央)、入部正太郎(早稲田)らがすぐさま反応するが、逃げに乗せていない日本大学が追走しまもなく吸収。しかしその動きで、先頭は鹿屋6名、中央2名、日大2名、法政2名、早稲田1名、京都産業1名、中京1名の15名となり、鹿屋が有利な展開となる。

数で不利な状況にも関わらず、果敢に攻めたのは法政の早川。唯一のアタックポイントである7〜8%、1km弱の登り坂で、数回にわたりアタックをしかけ、鹿屋を含む先頭メンバーを徐々に減らしていった。残り4周の時点で吉田隼人・山本(鹿屋)窪木一茂・逢阪弘紀(日大)笠原恭輔(中央)入部、早川の7名となり、そのままラスト周回へ。

最終回のアタックポイントで仕掛けたのは、再び山本。一瞬間を置いて山本の逃げに飛び乗ったのは、これまであまり動かなかったチームメイトの吉田。二人はすぐに15秒程のアドバンテージを作り、最後の1kmの登りへ。後ろの4名は協調体制が組めずなかなか差がつまらない。

結局先頭2名はそのまま逃げ切り、吉田が、積極的に動いた後輩の山本に勝利をゆずる形で、鹿屋のワンツーフィニッシュとなった。4名による3位争いは、窪木が先着。以下、逢阪、早川と続いた。

近年の学連ロードレースと比べると、逃げや追走などの展開が少なく積極性に欠けるレースにも見えた。しかし、過去5回の奥木曽湖開催で一番早いゴールタイム(4:27:29)が示すように、序盤からハイペースでレースが進み、逃げにくかったからとも言えるだろう。レースの厳しさは、出走150名で完走者が27名という事からも伺え、学連登録選手のレベルアップも確認する事ができた大会でもあった。