大会名:UCI CYCLO-CROSS WORLD CHAMPIONSHIPS
開催日:2008年1月26日〜27日
開催地:Treviso(Italy)
天候:快晴
会場はTREVISO郊外の池の周りに立地しており,
ひじょうに景観の良いところ.
コースは池に面した草地と
段状になっている地形を取り入れたもので,
乗車出来るか出来ないかの急な上りや長い階段などもあり,
基本スピードの高さも必要だが
テクニック,そして集中力が要求される
タフなコースに仕上がっていた.
現地入りしたときからひじょうに良い天気だが,
毎晩霜が降りるため午前から昼にかけての路面は
表面が融け出し非常に滑りやすいコンディション.
午後は朝のレースで路面が荒れるため,
さらに難しいコースコンディションとなった.
<ジュニア>・・・1/26 11:00スタート
中山は3列目からのスタート.
良いスタート位置を活かしスムーズなスタートをきった.
一方の高宮は後方からのスタートで
スタート直後の混乱に巻き込まれてしまった.
集団落車の後方に位置したため,
1周目から完全に取り残されてしまった状態.
レース経験の浅い日本のジュニア選手にとっては
かなり厳しいコースコンディションだったが,
中山は良く攻めることができ3分18秒遅れの37位でゴール.
高宮は前半の遅れから集団復帰を試みたものの,
途中前後ともパンクし再び後退.
残念ながら途中ラップアウトとなってしまった.
1. JOUFFROY Arnaud (FRA) 0:40:30
37. NAKAYAMA Kazuya (JPN) +3:18
60. TAKAMIYA Masatsugu (JPN) -1Lap
<U23>・・・1/26 14:30スタート
4列目スタートの竹之内はスタートでジャンプアップ.
コースを半周して目前に現れたときには
集団前方で先頭の見える位置.
コース脇で我々が興奮してしまうほどだ!
伊澤は後方からのスタートにもかかわらず,
混乱に巻き込まれることなく周回に入っていった.
午前のジュニアのレースで荒らされた路面は
さらに滑りやすくなっており,
各国の選手とも苦戦している様子.
竹之内は中盤順位を落としてしまったが,
その後は持ちこたえることができ
ロスを最小限にとどめることができた.
先頭集団からは遅れてしまったが,
トップから3分52秒差の36位でのゴールとなった.
一方の伊澤もひじょうに良い走りだったが,
あと僅かのところでトップ選手が近づき
−1Lapという結果に終わってしまった.
1. ALBERT Niels (BEL) 0:51:11
36. TAKENOUCHI Yu (JPN) +3:52
53. IZAWA Yudai (JPN) -1lap
<女子>・・・1/27 11:00スタート
前日のレースで荒らされた路面には轍が残っており,
さらに霜が融け出してひじょうに難しいコースコンディションとなった.
豊岡,荻島,酒井の3選手は良いスタートをきって
ホームストレートを通過した.
しかし最初のS字コーナーを通過する集団の中で豊岡が落車.
荒れた路面でスピードが落ちていたところでの落車だったので
それほどのダメージはなくすぐに復帰することができた.
泥コンディションで力を発揮する荻島は順調な滑り出しで,
滑る路面を果敢に攻めている.
ヨーロッパでのクロス経験の少ない酒井は
難しい路面に苦戦しながらも良いペースで周回を重ねる.
レースが進み陽が上がると,路面はさらに滑りやすい状況.
先頭はすでに世界戦を3勝している
ドイツのHanka KUPFERNAGELが抜け出し,
オランダのMarianne VOSやフランス勢が追う展開.
こんなコンディションでも荻島は終始安定した走りが出来る選手.
確実にゴールにむかって走り抜き,
6分19秒差の31位でのゴールとなった.
タイム差は開いてしまったが十分に力を出せた結果といえよう.
酒井は終盤に後続選手に突っ込まれるもらい落車をしたが,
冷静に走り抜き8分少々の遅れでのゴールとなった.
経験は少ないが難コースを上手に攻略できたようだ.
日本チャンピオンの豊岡は序盤の落車でリズムが狂ったのか,
その後も落車を繰り返し後退を余儀なくされてしまった.
最下位まで順位を落としてしまった豊岡であったが,
観客の声援にも助けられ36位でのゴールとなった.
1. KUPFERNAGEL Hanka (GER) 0:45:15
31. OGISHIMA Mika (JPN) +6:19
34. SAKAI Masumi (JPN) +08:05
36. TOYOOKA Ayako (JPN) +09:56
<エリート>
午前のレースではかなり滑りやすかったが,
朝からの好天で路面の水分がとび走りやすくなったようだ.
オランダ・ベルギーと強豪ひしめくエリート.
そんな中,辻浦,小坂は良いスタートをきった.
1周目こそトップグループは数人の集団に分かれたが,
序盤から20人ほどのトップ集団になりレースは進行.
辻浦,小坂ともこの集団に入ることは出来なかったが,
2選手とも良いペースで追いかける.
小坂は今回の世界戦にバッチリ調子を合わせてきた.
一時は辻浦の前に出るなど
コース脇から見ていても調子が良いのが判る.
しかし悪夢が襲う!
ふだんなら何でもなくこなせるキャンバーポイントで
勢い余って前輪を滑らしてしまい坂から落ちる格好で派手に落車.
足首を負傷してしまい後退してしまった.
辻浦は序盤ペースが上がらなかったが,
中盤以降はリズムを取り戻すことができた.
後半になっても先頭は大集団のまま展開.
難コースにもかかわらず,
大集団で走れるトップ選手の実力は計り知れない.
最後に集団から抜け出したのは
オランダの期待のホープLars BOOM .
辻浦は淡々と周回を重ね57位でゴール.
本来の力を出し切れなかったのは残念だが,
それでもゴールできる実力がついているのは間違いない.
小坂はその後も落車,機材トラブルなどで後退してしまい,
−3Lapという結果に終わってしまった.
調子が良くても簡単にゴールさせてもらえないのが世界戦である.
1. BOOM Lars (NED) 1:05:27
57. TSUJIURA Keiichi (JPN) +07:16
62. KOSAKA Masanori (JPN) -3Lap
世界選手権では各カテゴリーとも
前週のワールドカップ勝者がそのまま勝者となりました.
どんなコースでも実力を出せる選手が
トップ選手となる得る条件ともいえます.
日本選手も多くのレースを経験し,
あらゆる条件下で走れる選手になって欲しいと思います.
(監督 澤田雄一)