大会もいよいよ最終日を向かえた。日本選手の残る種目は1kmタイムトライアルである。磯島成介(青森:八戸工業),中野慎詞(岩手:紫波総合)の2名は高校トップスプリンターであり磯島は全国選抜同種目優勝,一方中野は先に行われたインターハイ優勝の経験を持ち期待がかかる。大会は12時30分から始まり,1kmのスタート予選の予定時刻は13時過ぎである。約7時間後にベスト8による決勝が行われる。予選バックスタート中野は52×14のギアで臨み,最初の半周を250m19.2,続いて13,9秒と快調に飛ばす。ゴールタイムは1分04秒137で最終順位14位。続いて6組ホーム側から出走した磯島は51×14を使用し19.4秒,14.2,14.9,16,0とラップを落とし1分04秒727で21位でおわった。ベスト8に残るには1分3秒台,メダル圏内は1分2秒,優勝したロシア選手は1分1秒である。
大会は様々な演出が施され,大音量の音楽が流れる中で順位決定の部分は夕刻過ぎ夜に行われる。仕事を終えたファンが観戦しやすい時間帯に競技は行われ,観客重視の姿勢は日本と大きく異なる。活躍の目立った地元イタリア選手団は一時,低迷期があり復活のため総力を挙げて奮起したらしい。短期間でも選手強化は成功する。一方でイタリアといえばサッカー,自転車が盛んなイメージがあるが,最近の傾向でサッカーは順調であるが自転車は旗色が悪いらしい。
レポートの終わりに今回,空港の出迎えからホテル,競技場内,病院など全ての面で大変お世話になり,絶大な支援を受けた現地スタッフの横田弘乃さんには感謝を述べたい。
また,大会が終了すると2017ジュニアトラック強化チームは解散となり,世界戦ロードが終了すると新たな選手とスタッフによる新体制で臨む。直面する課題,解決すべき問題は山積されるが,刻々と近づいている東京五輪を見据えて尽力したい。(ジュニア強化育成部会長 折本 裕樹)