9月3日から6日まで4ステージで争われる韓国でのジュニアネイションズカップTour de DMZがスタートした。このツアーは今年からネイションズカップに加わることになり、アジアを中心とした国々とフィンランド、メキシコとスペインの混成チームなどが参加する。初参加となる日本ナショナルチームは松田祥位、篠田幸希、佐藤健、小野寺慶、蠣崎優仁、西原裕太郎の6選手で挑む。また日本からは神奈川県選抜チームも参戦する。
今大会優勝候補のカザフスタンはベストメンバーで参加しており、このレースに向けて3週間弱の高地トレーニングを積み、Igor CHZHAN らを中心に攻撃的なレースを仕掛けてくることが予想される。
また7月のカナダのネイションズカップにおいて個人タイムトライアルで優勝し、個人総合でも2位に入ったメキシコのISLAZ ROPEZ Fernando( CARTAGENA ESETEC)の動きにも注意しなければならない。
日本チームは個人総合で松田をエースとして、調子のよい小野寺をサブエースとして臨む。集団スプリントの際には松田、蠣崎、篠田、佐藤と今回初めての代表参戦となる西原での列車でステージ優勝も狙う。
Stage1
第1ステージはGOYANGからYEONCHEONまでの86.8kmの平坦基調のコースで争われた。今年のアジア選手権ではカザフスタンに完膚なきまでに叩きのめされたが、蠣崎、佐藤、篠田の3名は彼らの攻撃の仕方をよく理解している。カザフスタンに対して数的不利な状況を作らず、チームでまとまり単騎ではなく複数名で対応しなければ平坦コースでも勝機はない。
スタートしてすぐにカザフスタン、地元の複数の韓国チームが攻撃をするがカザフスタンの攻撃がいつもとは異なるとチームキャプテンの蠣崎が判断して、日本チームの対応もそれに合わせてカザフスタンに主導権を取らせない。前半は非常に高速で進み、最初の10kmのアベレージは52km/hを越える。アタック合戦が続くが決定的な逃げは出来ずに中盤まで進む。カザフスタンが全員でまとまり攻撃態勢を組んだ後ろに日本選手6名がチームで固まり、その後のカザフスタンの攻撃にも隙を見せない。
中盤に蠣崎がパンクする。集団のペースが速く、また車の隊列に入れさせてもらえない中で粘り続けるが、前方で集団落車が発生してチームカーに道をふさがれ戻れない。落車した西原も蠣崎と一緒にゴールを目指す。チームの司令塔を失った日本チームであったが、松田、佐藤、小野寺、篠田が集中力を切らさず危険な逃げに交互に乗り続ける。
ゴール手前10kmほどでチャイニーズタイペイ、韓国の逃げにカザフスタンはTTスペシャリストIgor CHZHANとアジアチャンピオンのDaniil MARUKHINの2名 、メキシコのISLAZ ROPEZ Fernando、日本からは松田、佐藤が入り、今大会マークしていた選手がほぼ乗ったこの逃げは決定的となる。どの選手も牽制せずローテーションしてジワジワ集団からタイム差をつけてラスト3kmでは20秒差となる。個人総合順位を上げるためには3位までに与えられるゴールでのボーナスタイムも重要なためミーティングでもゴール前では松田のアシストをするよう伝えていたが、佐藤がしっかり役割を果たしてくれた。
最後の直線勝負となり松田がスプリントを制し個人総合でもリーダーとなった。佐藤も5位となり集団にも20秒弱のタイム差をつけることが出来た。
この日はチームでまとまり、選手一人一人が強い覚悟でカザフスタンとの戦いに臨むことが出来た。(JCF強化コーチ 柿木孝之)
Stage1
1 松田祥位 1時間53分7秒
2 Daniil Marukhin(カザフスタン) 同タイム
3 Seungbeen Bae(韓国)同タイム
5 佐藤健 同タイム
35 篠田幸希 不明(先頭集団とタイム差がついたがリザルトでは松田と同タイム扱いのため)
66 小野寺慶 不明(先頭集団とタイム差がついたがリザルトでは松田と同タイム扱いのため)
96 蠣崎優仁 6分14秒差
97 西原裕太郎 同タイム