Stage2
第2ステージは114kmで、中盤60kmからこの日最大の勝負ところとなる緩い区間も含めて7kmの登り区間があり、その頂上からゴールまでの50km弱は平坦基調の区間となるが100kmあたりに1.5kmの勾配のきつい登り区間がある。カザフスタンが人数をそろえて一つ目の登りで攻撃を仕掛けてくることが予想された。
スタート直後にアタック合戦となり10名ほどが抜け出す。その中には昨日のステージで5位に入った佐藤が入り、集団はカザフスタンがコントロールして進む。しばらく逃げたが吸収される。その後ウズベキスタン2名を含む4名の逃げが出来るが、団体総合も狙うカザフスタンが集団をコントロールして登り区間に向かう。日本チームにとっては良い展開でレースが進むが、この日の勝負ところとなる7kmの登り前の1.7kmの登りのふもとで個人総合リーダーの松田がパンクしてしまう。すでに登り区間で集団は伸びており、チームカーの到着が遅れると判断した蠣崎が自分のホイールと交換する。登りで集団のペースが上がっていたため追いつくのはきつい展開であったが、小野寺が次の登りまでに松田を集団まで引き上げる。そのあとすぐにこの日の勝負ところとなる長い登りに入る。集団はカザフスタンが6名で完全にコントロールして集団は小さくなっていく。ラスト1kmまでには8人まで絞られ、そこに日本からは松田のみが残る。しかし山頂前にパンクからの追走で脚を使った松田は遅れはじめ、カザフスタン3名とメキシコのISLAZ ROPEZ Fernandoの4名の逃げに行かれてしまう。下り区間で追いつきたい松田であったがカザフスタンの選手にマークされ差は縮められない。下り区間の終わりで前4名とのタイム差は15秒差で、小野寺、韓国ら5名ほどが追いついてきて人数を増やしたものの中途半端な追い方をしてしまい脚を使いながらもタイム差を広げられてしまう。そこからジワジワとタイム差を広げられていく。佐藤、そして篠田、西原も復帰し追走集団は大きくなるが、利害が一致せずペースが上がらない。日本チームは個人総合で遅れた選手らで追走して、この日最後の勾配のある登り区間でメイン集団に残ったカザフスタンの攻撃に松田が対応したいところであったが、その前の区間で松田自身が自ら集団を高速で牽き続け、追いついてきたアシスト選手たちも前に上がれず脚を消耗させてしまう。
先頭集団の4名はラスト15kmの登りでカザフスタンがISLAZ ROPEZ Fernandoを置き去りにし、さらにそこからエースのIgor CHZHANが 抜け出してその後ろを2名のカザフスタンが追いかける形で進む。カザフスタンは上位3名を独占する形となったが、Igor CHZHANが最終コーナーを誘導ミスで曲がらず直進して遅れてしまったため2名で追走していたDaniil Marukhinが優勝した。
松田の追走集団からはラストの登りでカザフスタンが2名で抜け出す。先頭から落ちてきたISLAZ ROPEZ Fernandoを吸収しそのままさらに置き去りにして2名でゴールし、カザフスタンは5位までを独占した。結局松田は先頭から2分15秒遅れの9位でゴールした。
今日のステージでは登りで松田が先頭から遅れた後、下り区間と平坦区間で遅れた選手が復帰し追走集団は人数を増やす中で、日本チームは数をそろえながら役割分担の意思疎通が出来ず、追いかけるのか追いかけないのか、そして最後の登りでのさらなるカザフスタンの攻撃に備える判断が上手く出来なかった。
第3ステージもスタート直後から設定されているため厳しいレースになることが予想される。強力なカザフスタンチームのコントロールを崩すのは難しいが、松田の個人総合順位を維持し、ステージ優勝を狙う。(JCF強化コーチ 柿木孝之)
Stage2
1 Olzhas BAYEMBAYEV (カザフスタン)2時間43分55秒
2 Daniil Marukhin(カザフスタン) 同タイム
3 Igor CHZHAN(カザフスタン)同タイム※遅れてゴールしたが優勝者と同タイム扱いとなった。
9 松田祥位 2分15秒差
10 小野寺慶 同タイム
14 西原裕太郎2分19秒差
16 佐藤健 同タイム
38 蠣崎優仁 7分33秒差
39 篠田幸希 同タイム
Stage2 個人総合成績
1 Daniil Marukhin(カザフスタン) 4時間36分50秒
2 Igor CHZHAN(カザフスタン)8秒差
3 BAYEMBAYEV Olzhas(カザフスタン)25秒差
7 松田祥位 2分17秒差
8 佐藤健 2分31秒差
14 小野寺慶 2分50秒差
37 篠田幸希 8分8秒差
39 西原裕太郎 8分45秒差
58 蠣崎優仁 13分59秒差