• HOME
  • BMX
  • NEWS
  • 2022年BMXレーシング世界選手権大会 男子U23中井飛馬3位入賞
2022/08/03

2022年BMXレーシング世界選手権大会 男子U23中井飛馬3位入賞

<大会レポート>

2022 UCI BMXレーシング世界選手権大会が、2022年7月30 日(土) 〜 31日(日)の2日間に渡り、フランス・ナントにて開催されました。
フランスでの世界選手権大会誘致は2005年パリ大会ぶりとなり、以前1999年には同都市ナントにて世界選手権開催実績を持っています。

チャンピオンの称号であるレインボージャージを賭けて戦うチャンピオンシップレベル(ジュニア、U23、エリート)に、日本からはジュニア男女各1名、U23男子3名、女子2名、計7名の選手を派遣しました。(今大会エリートの派遣は、男子該当者なし、女子怪我のため不参加)

日本チームの結果は、世界選手権大会初開催となったU23カテゴリーにおいて、男子 中井飛馬(日本体育大学)が、2017年世界選手権大会ジュニアカテゴリー以来の決勝進出を果たし、3位表彰台を獲得しました。

女子U23カテゴリーでは丹野夏波(早稲田大学)、籔田寿衣(大阪体育大学)が決勝進出を果たし、それぞれ4位と7位入賞、ファイナルレースへ日本人を複数名送り込むことを達成しました。

また7月26 日(火) 〜 29日(金)に同会場にて併催された、2022年UCI BMXレーシング ワールドチャレンジでは、12歳クラスにて澤田茉奈が優勝するなど、複数名のファイナリストが誕生しました。

 

下記、各クラスの結果レポート

Under 23 男子

前述通り今大会から新設されたUnder23カテゴリーには55名(計24カ国)が参戦し、初代チャンピオンを狙っての混戦が繰り広げられた。

日本からは昨年のワールドカップシリーズチャンピオンである中井飛馬(日本体育大学)をはじめ、増田優一(大阪体育大学)、島田遼(GAN TRIGGER)の3名が代表とし参戦。

初日の予選・1/8決勝では、中井は1/8決勝を1位で通過し翌日の準々決勝へ進出した。
島田は1/8決勝にて通過圏内の3位を走行中に、前走者との接触にて失速。増田は敗者復活戦にあたるLast Chance Qualifyにてあと1名届かず、それぞれ翌日の準々決勝へは勝ち進むことができなかった。

中井は翌日、準々決勝、準決勝を勝ち上がり、決勝へ駒を進めた。
決勝ではインサイドの3レーンを選択。得意のスタートのタイミングミスにより後方から追い上げる展開となったが、世界選手権決勝であることから先頭グループでは荒れたレース内容が続き、度重なる接触などをうまく交わして、中井は最終3位までの追い上げを見せてレースを終えた。
今大会会場はコンパクトで短いコースレイアウトのためスピードコースであり、一つのミスが大きく響く結果となった。

しかしながら、日本チームとしてはチャンピオンシップレベルでの初メダル・表彰台獲得となり、中井自身も自身のジュニア4位を上回る成績を収めた。

 


<中井飛馬 コメント>

最低ラインのメダルを獲得しましたが、優勝だけを狙ってトレーニングを積んできて、決勝でも勝てる条件が揃っていただけに、レース直後から悔しい気持ちでいっぱいです。
決勝のスタートではタイミングを早まり、ゲートに前輪をヒットさせてしまいました。
他の選手の展開からも、通常のスタートを決めることができていればと・・・悔やみきれませんが、来年からのエリートカテゴリーに向けて、今大会での経験を大切なステップとしたいです。
日本初のレインボージャージを持ち帰ることはできませんでしたが、日々の多くの方々のサポート、そして会場での日本チームの応援により、全力で今大会に挑めたことに感謝しています。
たくさんの応援、ありがとうございました。

 

<大会結果 男子Under23

優勝:GAROYAN Leo (フランス)
2位:RAMIREZ VALENCIA Juan Camilo (コロンビア)
3位:中井飛馬 (日本体育大学)
37位:島田遼(GAN TRIGGER)
50位:増田優一(大阪体育大学)

 

Under 23 女子

参加者は13カ国から計18名と少なめであったが、参加者の半数以上が今シーズンのワールドカップシリーズにて決勝へ進出しており、各国の強豪選手が集結した女子のU23カテゴリー。

日本の丹野夏波(早稲田大学 #505)と籔田寿衣(大阪体育大学 #504)は、各組において予選を2位で勝ち上がり、準決勝も接触などで危ない場面もあったが、それぞれ4位にて決勝へ進出した。
両選手ともチャレンジレベルでの決勝進出が最後であり、丹野は2016年ぶり、籔田は2015年ぶりに決勝へ勝ち進み、再び世界選手権大会決勝の舞台へ戻ってきた。

決勝レース、丹野は5レーン、籔田は6レーンからスタート。
丹野が好スタートを決めるも、最初のジャンプにて少し失敗し、4位で第1コーナーを通過。
前を行く選手を追走するも、終始差を縮めることはできず4位でフィニッシュ。
籔田は第1バームにて接触し、大幅に失速したため最終7位となった。

表彰台まであと1歩であったが、複数名の日本人選手決勝進出は、チームとしても大きな成果となった。


 

<丹野夏波 コメント>

目標としていたトップ3にあとひとつだったので、悔しい気持ちもありますが、決勝でも今持っているベストのパフォーマンスを発揮することができたので、今大会の結果には満足しています。
東京オリンピックの代表選考を逃してから、気持ちの切り替えに時間がかかってしまいましたが、こうしてまた大きな舞台でBMXレーシングをすることで、次なる目標へのモチベーションを見つけることができました。
今シーズンもまだ続くので、短い休憩を挟んで、残りのワールドカップシリーズに向けてトレーニングに励みたいと思っています。 応援ありがとうございました。

 

<籔田寿衣 コメント>

今大会に向けてヨーロッパで2ヶ月半の事前調整をしてきましたが、大会約3週間前に病院へ救急搬送される大きなクラッシュをしてしまい、直前までスタートに立つことが目標となっていました。
レースができるか不安な日々が続いていましたが、怪我の回復は早く、チームのサポートもあり、レース当日には全力で走れるまでになりました。
今は当初の目標でもあった決勝へ進出することができ、安堵の気持ちでいっぱいです。
決勝では思った展開にはならず7位で終わりましたが、残り2年あるU23カテゴリーにて表彰台、そして優勝と着実にステップアップできることが今後の目標です。
今大会でもたくさんのサポートを頂き、ありがとうございました。

 

<大会結果 女子Under23

優勝:SØRENSEN Malene(デンマーク)
2位:AEBERHARD Nadine(スイス)
3位:SIMPSON Molly(カナダ)
4位:丹野夏波(早稲田大学)
7位:籔田寿衣(大阪体育大学)

 

 

ジュニア 男子

エリート男子に続く参加人数56名(計27カ国)が集まったジュニア男子カテゴリー(17−18歳対象)
日本からはジュニア1年目となる木内彪凱(飛龍高等学校)を派遣し、シーズン前半に行ったヨーロッパシリーズでの単独武者修行の成果の発揮に期待がかかった。

予選では好スタートを決めるも、隣の選手と接触しクラッシュ。一時は重症と思われたが、幸いにも軽症であったため、敗者復活戦Last Chance Qualifyに出場し、通過圏内の2位で1/8決勝へ進出。 
1/8決勝でも好スタートを決めて3位でレースを展開するも、最終コーナーでのライン取りミスにより順位を落とし、5位で準々決勝進出を逃した。

 

<木内彪凱 コメント>

15-16歳のワールドチャレンジがコロナウイルスの影響により2年間中止が続き、3年越しでの世界選手権挑戦でした。
事前練習から調子は整っていただけに、1/8決勝でミスをして、チャンスを掴みきれなかった自分にガッカリしていますが、現状の自分の位置も確認できたことは、次のトレーニング活かせる収穫でした。
また、初めてのナショナルチームとの大会参戦で、慣れない部分もありましたが、それ以上に学ぶことも多く、ここからエリートへ向けての新たなスタートと再認識することもできました。
来年もヨーロッパにベースを置いて、最後のジュニアで勝負できる位置に持っていきたいです。

 

<大会結果 男子ジュニア
優勝:BIJSTERBOSCH Julian(オランダ)
2位:BRINK Jaymio(オランダ)
3位:MAGDELIJNS Wannes(ベルギー)
29位:木内彪凱(飛龍高等学校)

 

ジュニア 女子

17カ国から総勢27名が集まったジュニア女子カテゴリーには、日本からは西村寧々花(GAN TRIGGER)が出場した。
予選は通過圏内の4位でコース前半を終えるも、第2コーナーにて接触してクラッシュしたため、敗者復活戦に回った。
上位2名が通過となる敗者復活戦では、3位で追いかけると展開となったが、最終コーナーにて一つ順位を上げ、0.087秒と僅差であったが逃げ切り、翌日の準々決勝へ進んだ。
5名で争われた準々決勝では、最初のジャンプでのミスが響き、上位4名には届かず、総合17位にてジュニア最終年を終えた。

 

<西村寧々花 コメント>

昨年の世界選手権では予選を通過できなかったため、いくつかの課題に取り組んできましたが、ジャンプという最大の課題で差を埋めきれず、今回も納得できる結果は得られませんでした。
帰国後は、アジア選手権などが続きますが、まずはジャンプフォーム修正を1番の目標において、その後に次のU23カテゴリーでの4年間に向けて、大会での結果を考えてきたいと思っています。
日本からのたくさんの応援、ありがとうございました。

 

<大会結果 女子ジュニア

優勝:BRINDJONC Lea(フランス)
2位:STURISKA Veronika Monika(ラトビア)
3位:MAY Bella(オーストラリア)
17位:西村寧々花(GAN Trigger)

 

ワールドチャレンジ カテゴリー

新型コロナウイルスの影響から中止が続いており、2019年(ベルギー大会)ぶりの開催となったUCI BMXレーシングワールドチャレンジは、大会前半の7月26 日(火) 〜 29日(金)まで実施され、世界各国から総勢2830名が集まった。
ワールドチャレンジは、タイヤサイズが20インチと24インチの2種類のクラス設定があり、下は8歳から上は50歳以上まで全43カテゴリーが設けられる。
世界中から集まる老若男女が、チャンピオンシップレベルと同様のコースにて世界1を争う、自転車競技でも選手年齢層の幅が一番広い国際大会となっている。


日本からは総勢18名の選手が参戦し、初日開催されたクルーザークラスでは女子12歳アンダーで、澤田茉奈(さわだ まな 12)が後続に10車身以上の差をつけ日本人女子初となるクルーザークラスでの優勝を獲得。
男子は同じく12歳アンダーにて石川智士(いしかわ さとし 12)が7位入賞、15−16歳では浦井健芯(うらい けんしん 16)が5位に入り、合計3名のファイナリストが生まれた。


2日目以降の20インチクラスでは、女子12歳にて澤田茉奈(#4)が2018年以来の2度目の優勝、クルーザークラスとのダブルチャンピオンを獲得した。
男子は11歳の高崎成琉(たかさき なる 11 #368)が決勝へ進出し、優勝まであと数センチ届かなかったものの、2018年に獲得した自身の7位を大きく上回る世界2位を獲得した。
男子の表彰台獲得は、2012年の増田優一以来10年ぶりであった。


今大会でのワールドチャレンジ日本チームの活躍は、チャンピオンシップレベルの複数名決勝進出に繋がる大きな勢いをつけ、次世代の可能性も表す好成績で大会を終えた。

 

Text : 三瓶 将廣(BMXレーシング ヘッドコーチ)

 

 

<大会決勝映像 ライブ録画>

男子U23決勝:https://youtu.be/ubMgpOqBeg0

女子U23決勝:https://youtu.be/OMh_CNARvyE

チャレンジライブ映像:https://www.youtube.com/playlist?list=PL7NFlV830crMTwIEqn-UcOnfNK3fTR6Go

 

 

<派遣選手団>

派遣大会:2022年UCI BMXレーシング世界選手権大会(フランス・ナント)
大会期間:2022年7月23日(土)~ 7月31日(日)
開催場所:フランス・ナント ExpoNantes Le Parc内特設会場
大会情報:公式ホームページ https://www.nantes2022.com/en/home/

 

<選手>

男子U23
島田 遼(広島 Gan Trigger)
中井 飛馬 (新潟 日本体育大学)
増田 優一(大阪 大阪体育大学)

女子U23
丹野 夏波(神奈川 早稲田大学)
籔田 寿衣(大阪 大阪体育大学)

男子ジュニア
木内 彪凱(静岡 飛龍高等学校)

女子ジュニア
西村 寧々花(大阪 Gan Trigger)

 

<スタッフ>

三瓶 将廣(監督)
マーティンウォード(チームマネージャー)
榊原由紀(アシスタントマネージャー)
吉村 樹希敢(コーチ)
三瓶 貴公(メカニック)
宮﨑 大地(情報科学スタッフ)
能地 裕哉(サポートスタッフ)
竹内 樹(サポートスタッフ)