BIWASE CUP2014 stage8
最終ステージとなる第8ステージは朝7時にスタートして、平坦のみの98kmで争われた。金子は個人総合5位であり、今までのレースでの動きから他のチームのマークが非常に厳しいが、チャンスがあればよりジャンプアップを狙った。坂口は総合10位であり、逃げに乗れば個人総合上位に食い込むチャンスがあり、また最後のスプリントでも勝負に絡む走りが出来るので、レース状況をみてどちらで勝負するか判断を任せた。合田は個人総合で大きく遅れているので、大きな逃げに乗り、そこでの区間優勝、またはゴール勝負の際には坂口のそばでスプリントの準備の役を担った。
スタート直後から追い風の中で激しいアタック合戦が繰り広げられる。個人総合リーダーが自分で反応する場面が多い。金子も自ら動いて逃げを作りにいくが、ことごとく個人総合リーダーに反応されて逃げられない。総合に関係のない選手の単独逃げが決まり、集団は動きが収まる。レース中盤に集団のペースが上がり、先頭の選手を捉えて集団がまとまるとまたアタックが頻発する。ボーナスタイムのある中間スプリント争いでは坂口が1位通過すれば総合で8位まで上がれたが、ここでは4位に終わり総合のジャンプアップは出来なかった。
ゴールまで20km地点でマレーシアの選手と前半単独で逃げていた選手が再び逃げて50秒ほどの差を集団につけるが、ラスト5kmで集団は一つになる。道幅の広い道での集団スプリントとなり、坂口が6位に入った。
個人総合順位では金子が5位、坂口が10位に入った。今日の表彰式では、今大会8ステージを通して一番攻撃的に走り続けた選手におくられるMiss of BIWASEに金子が選ばれた。登り区間だけではなく、平坦コースでも強力な走りをみせたのが評価されたが、チームのためにも、自分のためにもしっかり走れる選手で、西がリタイアして3人となったチームを自ら強力に引っ張った。
坂口はジュニアカテゴリーの選手であるが、毎日アタックしつつ集団スプリントでは必ず勝負に絡む走りをみせた。集団スプリントは日本ではあまり経験できない中、今回の遠征では多くのものを学び取ってくれた。
合田は前半ステージでは集団走行技術に苦しめられたが、中盤のステージから前にとどまり、逃げに入るなど技術的な向上が図れた。
このレースはUCIレースではなく、ローカルルールや審判の裁量が大きく戸惑うことも多かったが、8ステージ走ることでそこから選手達が学べることは多かった。
次の女子の遠征は4月8日から10日までのUCIレース、Tour of Thailandになる。今回の経験を次のレースでの走りにつなげてもらいたい。(JCFロード部会員 柿木孝之)
Stage 8 result
1位 Jutatip Maneephan(ベトナム)2時間20分57秒
6位 坂口聖香(パナソニックレディース)同タイム
30位 金子広美(イナーメアイランド信濃山形)同タイム
32位 合田祐美子(早稲田大)同タイム
個人総合成績
1位 Nguyen Thi That (ベトナム)18時間5分16秒
5位 金子広美(イナーメアイランド信濃山形)43秒差
10位 坂口聖香(パナソニックレディース)1分3秒差
29位 合田祐美子(早稲田大)3分8秒差