Stage9
最終ステージとなるstage9は120kmの平坦コースであり、ホーチミンでゴールを迎える。昨日の古山選手の骨折で、日本チームは4名で金子の個人総合を守る。
前半は個人総合に関係のないアタックが決まり、日本チームは容認する。そのあとも数名ずつパラパラとアタックが続き、日本チームと今大会ステージ4勝しているスプリンターのNguyen Thi Thatを擁するベトナムチームがコントロールを始める。この日先頭グループを形成している選手達は個人総合には影響が出ない選手ながらも、逃げ人数が10名と先頭に行かせすぎてしまう。団体総合でも1位の日本チームは、前日まで2位のタイとのタイム差が2分25秒であり、タイの選手1名を含む先頭集団に逃げきられたとしてもこれ以上のタイム差は広げられたくない。40kmあたりで先頭集団との3分以上の差を吉川、坂口、金子を中心にべトナムチームとも協力して集団をまとめてコントロールする。90kmあたりで2分半ほどの差になったが、メイン集団は踏切に引っかかりストップする。ここでのストップで少しメイン集団もリズムが崩れタイム差が広がるが、日本チームを中心にペースを維持し、少しずつタイム差を縮めていく。先頭集団に追いつきはしなかったが2分弱の差で集団もフィニッシュして、金子の個人総合を7日間守りぬいた。団体総合もこの日はタイに詰められはしたものの33秒差で守り切った。
今回第3ステージからは個人総合リーダーを守る立場に立ち、協力関係がとれるチームが目まぐるしく変わるレース状況の中でチームとして不利にならないように逃げの選別を確実に行ない、その後も集団コントロールが出来た。ただ力があるだけではなく、チームで動くべき時は動き、ほかのチームに任せるときは任せ、チームの意思疎通がしっかり取れて、チームのために全力を尽くす素晴らしい選手たちであった。ステージ3勝、個人総合優勝、団体優勝という結果以上に、選手自身レースを考えて走り、集団を頭と力でコントロールして選手全員が一つになり動くことが出来たことが、選手自身に大きな自信となったであろう。(柿木 孝之)
1 DANG Thi Ngoc Huyen 2時間52分4秒
2 Grace Phang (マレーシア)同タイム
3 APINYA Thiangkaew(タイ)同タイム
10 吉川美穂 1分54秒差
14 坂口聖香 同タイム
16 金子広美 同タイム
41 梶原悠未 同タイム
DNS 古山稀絵
個人総合順位
1 金子広美 21時間57分32秒
2 Phetdarin Somrat(タイ) 2分50秒差
3 Nguyen Thi That (ベトナム) 2分56秒差
6 坂口聖香 3分42秒差
11 梶原悠未 8分3秒差
17 吉川美穂 10分32秒差