Stage8は120kmの平坦基調のコースで、日本チームは集団ゴールでまとめて樫木と金子の個人総合1、2位を守ることに徹する日とした。
最初の30kmは個人総合に関係のない選手の逃げが形成されたため日本チームは特に動かずレースを静観する。その攻撃が捕まった後に団体総合に関係のある逃げが決まり、日本チームは逃げに入った韓国選手のゼッケンを見間違え、総合4位の選手が入っていると勘違いしてそこから20kmほど追走する。日本チームの追走で非常に速いレース展開となり、ほとんどのチームが60km地点まで補給ができない。逃げを吸収した後しばらくして樫木から個人総合で4分9秒遅れのTran Thi Kim Ahと4分33秒遅れのNguyen Thi Thu Mai選手を含む3名が逃げる。その後も追走が入る中で、唐見が落車して代車に乗り換え、金子もパンクする。暑さで弱った集団に対して先頭の3名が快調にタイム差を広げる。残り30kmで5分差となってしまい、集団スプリントには絶対の自信のあるタイはステージ優勝をあきらめたため日本チームと協力関係が築けない。個人総合3位の牧瀬と日本チームが集団を牽引するが、残り20kmでさらにタイム差が広がり5分20秒差まで広がる。暑さが厳しい中で逃げの3名がこれほどまでの力を残しているのは信じがたかったが、日本チームは牧瀬と牽引し続ける。ラスト12kmで個人総合2位の金子がこの日2回目のパンクをして、スピードの上がっていた集団に戻るのは無理なため上野とバイク交換して何とか集団復帰する。ゴールでは個人総合に関係のあるTran Thi Kim Ah 、Nguyen Thi Thu Maiから集団までのタイム差は3分35秒で、樫木が個人総合リーダーを守り金子の個人総合2位は1秒差で守った。最後は何とか樫木と金子の個人総合を死守したが、8日間の疲れとこの日の暑さ、数回のトラブルの影響でコースプロフィールからは信じられないほど厳しいステージとなった。
明日のステージは112kmの平坦コースであるが、毎年攻撃が多くかかり激しいステージとなる。特にホーチミン市内に入ってからは渋滞に巻き込まれることもあり、タイム差のつく逃げを行かせるとコントロールできない危険な状況になる。樫木の個人総合をチームで守り切ることを最優先してレースに臨む。
Stage8 成績
1 Marella Vania Salamat(フィリピン)2時間55分27秒
2 Tran Thi Kim Ah (Xo So Kien Thiet Dong Thap)5秒差
3 Nguyen Thi Thu Mai(Tap doan Loc Troi)同タイム
32樫木祥子(日本ナショナルチーム)3分35秒差
33金子広美 (日本ナショナルチーム) 同タイム
51石上夢乃(日本ナショナルチーム) 同タイム
54唐見実世子(日本ナショナルチーム) 同タイム
68上野みなみ(日本ナショナルチーム) 7分12秒差
Stage8個人総合成績
1 樫木祥子(日本ナショナルチーム19時間41分20秒
2 金子広美(日本ナショナルチーム)29秒差
3 Tran Thi Kim Ah (Xo So Kien Thiet Dong Thap)30秒差
19唐見実世子(日本ナショナルチーム)9分7秒差
40上野みなみ(日本ナショナルチーム)21分8秒差
JCF強化コーチ柿木孝之