最終ステージとなるStage9はホーチミンがゴールとなる112kmの平坦コースであり、日本チームは樫木と金子の個人総合1、2位を守ることに専念することとした。
スタートして韓国チームなどが攻撃をかけてくるが、日本チームはこの日は早い段階でコントロールを開始する。タイも昨日のステージのような大逃げがないようコントロールに入ってくれたため協力関係の中でレースは進む。韓国が吸収されたあともアタックがかかるが、大人数の逃げは行かせず、1名、2名の逃げのみ許して30秒から40秒差でコントロールする。ラスト30kmをきってからは個人総合に関係のあるアタックがかかるが、コントロールされた集団から20秒以上抜け出せる選手はいない。そのままコントロールしきって集団スプリントとして、樫木、金子の個人総合1,2位をチームで守りきった。日本チームと協力して1日コントロールし続けたタイのエーススプリンターJutatip Maneephanがこの日も集団スプリントを制した。
この日は危険な逃げが出来ても焦らず、早い段階からコントロールを開始してスプリント勝負にしたいチームと利害が一致し協力関係を築くことが出来た。コントロールを崩しにかかる逃げも一切無視し、集団をコントロールし続けることで他チームに攻撃の機会を与えない完全なレース運びを行なった。9日間のステージでの団体総合でも優勝した。
ステージレースは多くの経験を積むチャンスであり、個人総合リーダーを抱えるとチームメンバー全員がよりレースを考えて、コミュニケーションをとりながら走らなければ個人総合を守ることが出来ない。今回も自分達が追いかけるべきか、ほかのチームが追わないといけないのか判断に迷う場面はあったが、毎日のレースの中で、またレース前後の話し合いで選手間の意思疎通もよりスムーズになり、信頼関係を築くことでチーム力が大きく向上した。樫木、金子はもちろん個人総合順位を支え続けた唐見、上野、石上にとっても精神的にも体力的にも大きく成長する9日間となった。
Stage9成績
1 Jutatip Maneephan(タイ)2時間45分31秒
2 Ju Pha Som Net(マレーシア)同タイム
3 Lee Joohee (韓国)同タイム
13 金子広美 (日本ナショナルチーム) 同タイム
24 樫木祥子 (日本ナショナルチーム) 同タイム
26 唐見実世子(日本ナショナルチーム) 同タイム
30 上野みなみ(日本ナショナルチーム) 同タイム
36 石上夢乃 (日本ナショナルチーム) 同タイム
Stage9個人総合成績
1 樫木祥子(日本ナショナルチーム22時間26分51秒
2 金子広美(日本ナショナルチーム)29秒差
3 Tran Thi Kim Ah (Xo So Kien Thiet Dong Thap)30秒差
18 唐見実世子(日本ナショナルチーム)9分7秒差
39 上野みなみ(日本ナショナルチーム)21分8秒差
JCF強化コーチ柿木孝之