アジア選手権マウンテンバイク(MTB)大会5日目の4月27日には、クロスカントリー・エリミネーター(XCE)が実施されました。
日本からは、高橋翔選手、中仙道侑毅選手、幾田悠雅選手の3名が出場しました。
XCEは、タイムトライアルによる予選後、4人1組のトーナメント方式で勝ち上がり、今大会では最大5回のレースを戦うため、瞬発力に加えて、インターバル間での回復力も求められます。
本来は高低差が少なく、スピード感と順位の変動が魅力のショー的な種目ですが、今回のコースは登りが多く、クロスカントリー・オリンピック(XCO)に近いフィジカル勝負の様相を呈しました。
中国選手たちはレースを重ねるごとに実力を発揮し、アジアにおける層の厚さを改めて印象づけました。
日本チームは準々決勝まで駒を進めた中仙道選手の総合10位が最高位となりました。
[リザルト]
・中仙道 侑毅(FUKAYA RACING/春日部共栄高等学校) 10位
・高橋 翔(SPEED of sound/日本体育大学) 13位
・幾田 悠雅(輪娯館/vittoria) 23位
[選手コメント]
・高橋 翔 選手
XCOと同様に登りの多いコースで、エリミネーターらしくない印象を受けました。
タイムトライアルは全力で走り、ミスもなかったのですが、結果は10位とあまり良くありませんでした。第1ヒートではスタートでスリップして3番手となり、最後に何とか2位まで上げましたが、その時点で足に力が残っておらず、呼吸もきつい状態に。第2ヒートではスタートを決めて2番手で進みましたが、登りで失速し4番手に後退、そのまま敗退という悔しい結果でした。
XCOとXCEのどちらにおいても、登坂力と回復力が自分の課題だと感じており、これを一つひとつ克服して今後につなげていきます。
・中仙道 侑毅 選手
2日前のXCOでは思うような結果を出せなかったため、気合を入れて臨みました。最終的な順位は悔しい結果でしたが、タイムトライアルでは5位に入り、走り自体は悪くなかったと思います。
第2ヒートでは、走行ラインをブロックされるなどの場面があり、エリミネーター特有のハイスピードな駆け引きにおけるスキルが不足していると実感しました。
この経験から学びを得て、来年は必ずリベンジしたいと思います。
・幾田 悠雅 選手
周りの選手が非常に速い中、予選を通過できたことは自分の中では嬉しい成果でした。第1ヒートではチャンスがいくつかあり、トップに出る場面もありましたが、徐々に足が動かなくなり、登りで抜かれてしまいました。
地脚の差を痛感し、登りの強化が必要だと感じました。来年に向けて、しっかり準備していきたいです。
[監督コメント]
小笠原 崇裕 監督
登りの強さで勝負が決まる、今までにないコースレイアウトのエリミネーターでした。この種目でも中国勢の牙城を崩すことはできませんでした。
日本勢はタイムトライアルでは5位に入るなど、1本の出力では差を感じなかったものの、ヒートが進むにつれて持続力と回復力に課題があると感じました。
アジア選手権では、日本国内で行われるエリミネーターとは異なり、各ヒート間のリカバリー時間が非常に短く、呼吸が整いきらないうちに次のスタートを迎えるようなスケジュールでした。
同じ種目であっても、強化方法を大きく見直さなければ、アジアのトップと戦っていくことは難しいと痛感しました。
5日間にわたって開催されたMTBアジア選手権大会。
日本代表選手たちは、それぞれの種目で全力を尽くし、アジアの強豪たちとの真剣勝負の中で、多くの学びと貴重な経験を得ることができました。
今回の結果と真摯に向き合い、見つかった課題を糧にして、さらなる成長と次なる挑戦に向けて、一歩ずつ着実に歩みを進めてまいります。
引き続き、日本代表選手たちへの温かいご声援をよろしくお願いいたします。








































