2025/06/04

2025 Tour of Japan レースレポート

・大会名:ツアー・オブ・ジャパン2025
・開催日:2025年5月18日〜5月25日(全8ステージ)
・カテゴリ:UCI2.2
・出走人数:95名(最終完走82名)

・リザルト:
1位:アレッサンドロ・ファンチェル(イタリア、JCL TEAM UKYO) 18時間39分57秒
2位:シモーネ・ラッカーニ(イタリア、JCL TEAM UKYO) +21秒
3位:ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、ヴィクトワール広島) +1分9秒
10位:金子宗平(ジャパンナショナルチーム) +3分25秒
24位:岩村元嗣(ジャパンナショナルチーム) +12分48秒
25位:森田叶夢(ジャパンナショナルチーム) +15分22秒
39位:神谷啓人(ジャパンナショナルチーム) +32分51秒
41位:山本哲央(ジャパンナショナルチーム) +33分49秒
46位:渡辺一気(ジャパンナショナルチーム) +36分38秒

・大会レポート:
5月18日から25日の8日間全8ステージで開催されたツアー・オブ・ジャパン2025に、今年もジャパンナショナルチームが出場。
今年は全日本選手権個人タイムトライアルチャンピオンである金子宗平、トラック競技でも日本代表として活躍する山本哲央を中心に、
U23カテゴリー1、2年目の大学生である渡辺一気、岩村元嗣、森田叶夢、神谷啓人を加えた6名のチーム編成で出場。
大会開催前日となる17日には金子と渡辺が記者会見に臨み、今大会への意気込みを語る。

大会初日となる18日は堺国際クリテリウムおよび第1ステージとして堺ステージで個人タイムトライアルが開催。
このステージではトラック日本代表にも選ばれている山本が7位、全日本選手権個人タイムトライアルチャンピオンである金子宗平が12位と、日本勢としては2位、3位のタイムを記録。
幸先の良いスタートを切ることができた。

大会2日目となる19日は第2ステージとしてJPF京都ステージが開催。
有力選手たちが終盤の落車に巻き込まれる中、ナショナルチームの選手たちは全員が完走、うち5名が46名のメイン集団で完走。この日は宇都宮ブリッツェンの岡篤志がステージ優勝となった。

大会3日目となる20日は第3ステージとしていなべステージが開催。
この日はイナベルグと呼ばれる急坂がフィニッシュ前後の区間にあり、例年タイム差がつくだけに前半戦の山場となるステージ。
2名の選手が逃げ切る中、29秒差のメイン集団で金子が完走、岩村も41秒差で完走。総合争いに絡む走りとなった。

大会4日目となる21日は第4ステージとして美濃ステージが開催。
序盤から逃げた5名のうち4名が16秒差で逃げ切る展開に。ジャパンナショナルチームは全員がメイン集団で完走、翌日から本格的に始まる総合争いに向けてしっかりと走り切った。
この日は愛三工業レーシングチームの宇田川塁がステージ優勝となった。

大会5日目となる22日は第5ステージとして綿半信州飯田ステージが開催。
この日は山岳賞争いが激化したこともあり、終盤メイン集団は22名にまで絞られる。最終盤に2名の選手が飛び出し、逃げ切る中、金子がメイン集団での完走となる12位で完走。
この日終了時点で金子は日本人最上位であり、UCIポイント圏内となる9位にまで総合順位を上げる。

大会6日目となる23日は第6ステージとして富士山ステージが開催。
ツアー・オブ・ジャパンのクイーンステージとして知られる富士山ステージ、この日の結果で総合順位の大勢が決まる重要なステージ。
序盤から5名の選手が逃げるも、決戦の場となるふじあざみラインの序盤で全員吸収。
ふじあざみラインの中腹でメイン集団は13名にまで絞られ、この中に金子が残り、最終的には日本人最上位となる12位で完走。
金子は総合順位を1つ落とし、10位となるものの、富士山ステージを終えてもまだUCIポイント獲得圏内に位置する結果となった。
また、森田がトップから3分19秒遅れとなる全体17位で完走。U23全体では3位となる順位での完走となった。

大会7日目となる24日は第7ステージとしてAMANO相模原ステージが開催。
総合上位勢が秒差となっている部分もあり、またポイント賞や山岳賞争いも拮抗しているため、様々な思惑が交錯する中でのレースとなった。
序盤からアタック合戦が続き、小集団が先行しては吸収を繰り返す中、中間スプリントおよび山岳賞ポイントを全て完了した後に13名の先頭集団が形成される。
メイン集団も迫る中13名から3名が逃げ切る展開となり、山本と金子が36名のメイン集団で完走となった。

大会8日目、大会最終日となる25日は第8ステージとしてSPEEDチャンネル東京ステージが開催。
この日も総合上位勢やポイント賞争いにより中々逃げができない中、森田や神谷、岩村も集団先頭でレースを展開。
終盤に5名が先行するも最終周回に逃げが吸収されると、ジャパンナショナルチームはトレインを組んで集団先頭争いに加わる。
最終盤にジャパンナショナルチームを含む4名の選手が先行する場面もあったが最終的には大集団スプリントに。
金子はメイン集団内で完走、総合10位で本大会を終え、見事UCIポイントを獲得することができた。
その他の選手たちもメイン集団および付近で完走。岩村がアンダー1年目ながら総合24位、森田は総合25位、神谷もアンダー1年目で総合39位、山本は総合41位、渡辺は総合46位で完走となった。

清水裕輔エリートコーチコメント:
U23の若い選手たちが多いチーム構成だったが、小橋コーチが連日的確に指示を出していく中でチームとしての動きが日に日にできるようになってきたと実感している。
チームとしては金子選手での総合上位を狙っており、総合10位(日本人最上位)、UCIポイント獲得という結果を出すことができて良かった。ただ、
金子選手のポテンシャルを考えるともっと上を狙えたのではないか、8ステージという長期間に渡るステージレースを走るのが金子選手は初めてだったということもあり、
今回の経験を活かすことでより良いリザルトを残せるのではないかと考えている。

U23の選手たちについては、金子選手や山本選手がリードしくれた部分もあり、
日に日に走りが良くなったことで8ステージ完走し、数字の話にはなってしまうが、6名全員がリザルト1枚目(上位50名以内)に名前を残せたというのも1つの結果として現れたのではないかとなと思う。
ただ、今回の結果で満足はしないで欲しい、今回のレースで見つかった課題をしっかりと乗り越え、ステップアップして欲しい。

また、U23の選手については今回はU23カテゴリで2年目までの選手たちの中から選考した。
U23で言えば3年目、4年目、ジュニアで言えば2年目の選手たちは様々なチームに所属することで経験を積むことができる環境が増えつつあり、
カテゴリが上がったばかりの選手たちがそこにすぐに加わるというのは難しいということもあり、より若い選手たちが経験を積めるようにという意図で今回のメンバーを選考した。

今回選べなかった選手たちの中にも期待している選手たちはたくさんいる。次のレースでは改めてメンバーを選考し、結果を残していきたい。





写真提供:Itaru Mitsui