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2025/08/25

【大会レポート】ツール・ド・ラヴニール 第1ステージ

■ 大会レポート 第1ステージ

開催日:8月24日(日)
コース:アオスト〜サン=ガルミエ 188.6km
出走人数:158名/27ヶ国

フレンチアルプスを駆け上がる3kmの個人タイムトライアルのプロローグを終え、今日からロードレースステージが始まった。ここからは時計回りにフランス東部のオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏を大きく巡り、大会終盤の第5ステージ、第6A、6Bステージで再びイタリア国境に近いアルプスに戻るコースレイアウトだ。

第1ステージはアルプスの麓、アオストをスタートし、西に向かって舵を取り、大都市リヨンの北部を抜ける大会最長距離、189kmの平坦ステージだった。終盤にかけて登坂区間が増え、156km地点で3級山岳を越えた後、フィニッシュまでは下り基調となる。

昨日のプロローグの結果を受けて、日本チームはステージ狙いに戦略を定めた。毎ステージ、貪欲にチャンスを狙っていく。ロードレース初日の今日もまずは逃げに乗ることを目標にスタートを切った。ややナーバスな雰囲気の集団は、日本チームの読みどおり、最初の1時間は逃げを容認せず、アタックはすべて抑え込まれた。決定的な動きが生まれたのは、中盤に差し掛かる残り100km地点。Stef KONING(オランダ)が、パワフルな走りで集団を引き離し、独走を始めた。その後、Jose Juan PRIETO DE LUNA(メキシコ)が合流し、2選手が先行したが、3級山岳を越えた後に集団に吸収され、大きな集団でのゴールスプリントの展開となり、Noah HOBBS(イギリス)が勝利を収めた。

日本チームは序盤から逃げに乗るべく果敢に動いたが、複数名のアタックは強豪国がコントロールする集団に容認されなかった。終盤の山岳で、メイン集団には橋川丈、鎌田晃輝、岩村元嗣が残り、体調が万全ではない岩村は献身的な走りで2選手をサポートした。わずかな中切れで、集団内に7秒のタイム差が付いてしまったが、橋川と鎌田はメイン集団から7秒差でフィニッシュし、岩村もそのあとに続いた。

登りで遅れてしまった渡辺一気、中盤に落車した林原聖真、勝負所の登りでパンクに見舞われた望月蓮にとっては厳しいレースとなったが、遅れながらも無事にフィニッシュ。林原は掌に傷を負ったが、幸い大事には至らず、日本チームは再び集中して明日のステージに挑む。

■ 清水裕輔監督のコメント
最初は、昨日の結果を受けて、みんな緊張しているように感じた。でも、中根コーチがしっかりコースを分析してプランを立ててくれたおかげで、スタート前には緊張も解け、目標に向かってうまく走れたと思う。今日は逃げに乗って、山岳賞などを狙うことが目標で、チームとしてその通りの走りができたと思う。個々にはまだ課題があるけど、レース展開に積極的に加わりながらチャレンジできた点は評価したい。最後の登りで集団に残った3選手は、体力を温存しつつうまく走り切れたと思う。結果としては目標には届かなかったけど、チームとしてやりたいことの第一段階は達成できたと思っている。

明日のステージは距離が短くて、厳しいレースになることが予想されるが、またみんなで話し合って、良いレースをしていきたい。ヨーロッパで経験を積んでいる選手は、これまでの経験を活かしてチャンスを掴みにいく。まだ経験が少ない選手は、後半に向けて経験を積んで、チームとして実力を底上げしていきたい。

■ リザルト(第1ステージ区間成績)
1位 HOBBS Noah(イギリス) 4:14:45
2位 DONATI Davide(イタリア)
3位 MACIAS Cesar(メキシコ)
54位 橋川丈 +0:07
95位 鎌田晃輝 +0:07
105位 岩村元嗣 +1:15
129位 渡辺一気 +7:51
135位 林原聖真 +10:39
137位 望月蓮 +10:39

■ 派遣情報 
大会名:2025 Tour de l’Avenir
カテゴリー:UCI U23ネーションズカップ
開催期間:2025年8月23日(土)~29日(金)
開催地:フランス・オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地方(Auvergne-Rhône-Alpes)
特別協賛:Team NIPPO(株式会社NIPPO)、弱虫ペダル

8月23日(土)プロローグ ティーニュ〜ティーニュ1800 3km(ITT)
8月24日(日)第1ステージ アオスト〜サン=ガルミエ 188.6km
8月25日(月)第2ステージ サン=シンフォリアン=シュル=コワーズ〜ヴィトリー=アン=シャロレ 136.7km
8月26日(火)第3ステージ エタン=シュル=アルー〜シャティオン=シュル=シャラロンヌ 158.6km
8月27日(水)第4ステージ モンタニャ〜ヴァル・シュラン 110.2km
8月28日(木)第5ステージ サン=ジェルヴェ・モンブラン〜ティーニュ2100 121km
8月29日(金)第6Aステージ ラ・ロジエール〜ラ・ロジエール 41.6km
       第6Bステージ モンヴァルザン〜ラ・ロジエール 10.3km(ITT)
総走行距離 770km

■ 派遣選手
鎌田 晃輝(大阪・JCL TEAM UKYO/日本大学)※U23ロードレース アジアチャンピオン
渡辺 一気(北海道・京都産業大学)
林原 聖真(鳥取・明治大学/群馬グリフィン)
橋川 丈(福島・愛三工業レーシング)※U23タイムトライアル 日本チャンピオン
岩村 元嗣(大阪・早稲田大学)
望月 蓮(山梨・Team Buffaz Gestion de Patrimoine)

■ 派遣スタッフ
清水 裕輔 監督
中根 英登 コーチ
市川 貴大 メカニック
酒井 駿  メカニック
西幹 祐太 マッサー
坂本 拓也 マッサー

写真:Sonoko Tanaka