公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)ロード部会は、2026年3月24日に第7回会合を開催し、「選手強化基準の新方針と暫定措置」「選手育成パスウェイの承認」「レースの安全性に関する基本方針の採択」「全日本TT選手権の運営」について議論を行いました。
今回は選手強化委員会事務局の三瓶氏が前半に参加し、新たな強化基準について説明が行われました。
出欠状況
出席者:加地/飯田/別府/樫木/今西/古家/大庭/川口/辻/栗村/中梶/松隈
選手強化委員会(前半のみ)
三瓶(事務局)
欠席:松村
会合の概要
今回の会合では、選手強化委員会から提示された新たな強化基準案への対応として暫定措置を決議するとともに、数ヶ月にわたり検討してきた選手育成パスウェイを正式に承認しました。
また、レースの安全性に関する基本方針を文書として採択し、チャレンジロードレースの参加者減少への対応や全日本TT選手権の準備状況についても議論が行われました。
選手強化基準の新方針と暫定措置
【新基準案の説明】
選手強化委員会より、選手強化および選考に関する新たな基準案が説明された。
3月の理事会で承認された新たな強化区分は、日本スポーツ振興センターのFTEM基準に合わせ、パフォーマンスレベルに応じた5区分(エリートポディウム、エリート、タレント、ジュニアタレント、ファウンデーション)に再編されたもので、全種目共通の枠組みとなっている。
【ロード部会からの意見】
部会員からは以下の意見が出された。
・ロード競技の特殊性(コース特性、選手タイプの多様性)を踏まえた細分化が必要
・選手選考プロセスへの専門部会の関与が不可欠
・ナショナルチームの戦略(世界選手権派遣方針、UCIポイント獲得方針)の議論が先行すべき
・女子選手については人数を踏まえた柔軟な選考が適切
【暫定措置の決定】
新しい正式な選考基準の策定には時間がかかるため、以下の暫定措置を全会一致で決議した。
・昨年の選考基準を暫定的に踏襲し、強化指定選手を選定・発表する
・ユース・U17の選手を追加検討するとともに、トラック中距離選手もリストに含める
・並行して新基準の策定を1~2ヶ月かけて進める
選手育成パスウェイの承認
数ヶ月にわたり検討してきた選手育成パスウェイ(選手育成経路)を図式化したものが共有され、部会として正式に承認した。
主な特徴は以下の通り。
・国内ルートと海外ルートを分けた2段構成
・競技以外の強化(教育等)の必要性も盛り込み
・2035年のゴール:ワールドツアー5名、プロチーム5名の計10名
議論の中では、ナショナルチーム活動における選手の経済的負担の問題や、選手タイプ別(TT、スプリント、ヒルクライム、ルーラー等)の選考基準の必要性、他競技からの転向者への対応なども話題となった。パスウェイ自体は承認しつつ、こうした課題は選考基準・派遣基準の柔軟性で担保していく方針を確認した。
レースの安全性に関する基本方針
レースの安全性に関する基本方針を文書化した案が提示され、文言の調整を経て全会一致で採択された。
前回の会合で確認した「安全性を徹底的に高める」という方向性を具体的な文書として形にしたもの。
チャレンジロードレースについて
【参加者減少】
チャレンジロードレースの参加者が昨年から大幅に減少していることが報告された。
特にアンダー23カテゴリーでは昨年の約170名から約100名へと減少している。
要因として、群馬で開催される別レースへの流出やJBCFレースの早期開幕による大会ステータスの相対的な低下が議論された。
JCF主催大会としてのステータス向上策を継続的に議論していく。
【ジュニア強化指定選手の出走】
ジュニア強化指定選手8名をエリートカテゴリーに参加させることが承認された。(昨年は5名)
テクニカルガイドに追記する形で対応する。
全日本タイムトライアル選手権
全日本TT選手権の準備状況が報告された。
・要項は4月中旬の公開を目指して最終調整中
・会場の利用時間制限を踏まえた参加者数の設定
・スタート順はUCIポイント等に基づく案を作成し、PCP(審判長)に確認する方針
・国内チームおよび選手から出場基準についての相談があり、現行の選考基準に基づき対応する
報告事項
【自転車の普及に向けたメーカーとの連携】
部会長より、機材コスト低減による競技普及を目的としたメーカーとの対話の進捗が報告された。
複数のメーカーから賛同を得ており、残り数社との面談後にキックオフを予定している。
【UCIグラベルシリーズの日本開催】
UCIグラベルシリーズの一戦が日本(宮城県加美町、8月予定)で正式に決定したことが報告された。
グラベル部会が存在しないため、引き続きロード部会が管轄する。
【UCIレース主管料・委託料】
UCIレースの主管料・委託料が大会ごとにばらつきがある現状について、次回会議で具体的な数字をもとに議論することが予告された。
総括
今回の会合では、選手強化基準の暫定措置の決議、選手育成パスウェイの正式承認、レースの安全性に関する基本方針の採択と、3つの重要な決議が行われました。
いずれも全会一致での決定であり、部会としての方向性が明確に示されました。
新しい選考基準の正式策定に向けた作業も並行して進め、ロード競技の特殊性を反映した実効性のある基準づくりに取り組んでまいります。
今後の予定
次回会合では、以下の事項を中心に審議を行う予定です。
・UCIレースにおける競技主管体制の整理(主管として担うべき役割の明確化、都道府県車連への委託における役割分担、主管料・委託料の適正化)
・新選考基準の策定進捗報告
・メーカー連携キックオフの報告
公益財団法人日本自転車競技連盟
ロード部会長
加地 邦彦




































