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2026/04/30

JCFロード部会第9回会合のご報告(2026年4 月28日/2026年度第1回)

公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)ロード部会は、2026年4月28日に第8回会合を開催しました。
2026年度として最初の部会にあたるため、冒頭で議事録のカウント方針を確認したうえで、以下の5議題について議論を行いました。
1. 全日本選手権(RR要綱/エリート・マスターズのエントリー扱い)
2. チャンピオンジャージについて
3. ツール・ド・おきなわについて
4. エキシビションレースについて
5. ナショナルチーム派遣について

出欠状況

出席者:加地/飯田/樫木/今西/古家/松村/辻
欠席:栗村/中梶/別府/川口/大庭
事務局:斎藤松隈

会合の概要

新年度最初の部会として、まず議事録のカウントを「現メンバー就任以降の通算回数で継続」とする方針を確認した(年度区切りは括弧書きで併記)。
全日本選手権の運営詳細、ツール・ド・おきなわの運営課題への対応、2027年UCIカレンダー登録に向けた整理に加え、強化選手の選考・派遣の透明性、エキシビションレースにおけるJCFの関わり方など、年度跨ぎの懸案を中心に審議した。

議事録カウントの方針確認

・新年度であっても、現メンバー体制以降の通算回数で議事録のカウントを継続する
・年度区切りは括弧書きで併記する形に統一(例:第8回(2026年度第1回))

全日本選手権ロードレースの運営詳細(要項案)

松隈氏より、全日本選手権ロードレースの要項案について説明があり、昨年から大きな変更点はないことが共有された。
【チームカー台数の変更】
・昨年の14台から10台に縮小
・地元(権兵衛トンネル付近)からの要請で、コース特性上、後方配置のチームカーが機能しない懸念があるため
【男子エリート枠の文言修正】
・男子エリート枠の説明文に女子UCIチーム関連の記述が残っていたため修正
【マスターズ/エリートの二重カテゴリー出走に関する整理】
シクロクロス全日本選手権(年末開催)と、ロード等の翌年カテゴリー登録のずれにより、「シクロクロスで前年エリート出走→翌年ロードでマスターズ登録」のような事象が発生していた。
当初案では「他種目で当該年度にエリートに出走した者はマスターズに出走できない」旨を要綱に記載する方向だったが、議論の結果、以下の整理とした。

・全日本選手権はあくまでJCF登録カテゴリーに従って出走することを原則とする
・「他種目をまたいだ出走規制」を要綱で個別に書くのではなく、ライセンスの登録カテゴリーが正となる運用に揃える
・構造的な原因はシクロクロスの全日本選手権が12月開催(本来は1月)で行われている点にあるため、シクロクロス部会側で、同大会の出走資格を翌年度(=現大会開催シーズン)の登録ライセンス保持者に限定する運用変更を要望する
・ロード部会としては、現行のロード要項に大きな修正は加えず、ライセンスとカテゴリーが整合する運用を関係事務局に依頼する

担当:シクロクロス部会への依頼を事務局経由で実施

日本チャンピオンジャージ(TT)の市販について

全日本TT王者の所属チームから、ナショナルチャンピオンジャージのレプリカ販売がECサイト上で開始されていることが共有された。

【規定上の整理】

・JCF規定上、ナショナルチャンピオンジャージに関する全ての権利はJCFに帰属する
・一方、海外でも各国チャンピオンジャージのレプリカは一般に販売されている
・公認レースでの着用は引き続き不可

【部会としての判断】

・許可の判断軸:
 〇選手の活動の役に立つこと(チーム・選手の活動支援につながる)を優先
 〇加えて、悪影響も想定できない(レプリカ用途・普段着/応援用に限定され、公認レースでの着用は不可のままであり、規定の趣旨を毀損しない)
・上記2点を踏まえ、JCFとして販売の許可を出す方針とする
・販売前にチームからJCFへ申請が入る仕組みを整える必要があるため、今後は事前申請・許可発行のフローを構築する
・ロイヤリティ徴収等の制度設計は、現状の販売規模を考えるとコストに見合わないため、当面は見送る

ツール・ド・おきなわについて

部会長より、主催者とのオンラインミーティング内容が共有された。
本件は引き続き協議中のため、本報告書では論点の概要のみを記録する。
【主な論点】
・2025年大会の運営において、安全管理体制上の課題が確認された
・当該事項については主催者と問題認識を共有し、対応について継続協議中
・運営体制全般について、抜本的な見直しが必要との認識を部会・主催者間で確認
【今後の方向性】
・主催者側で運営体制・必要リソース(人・予算)の整理を進めていただく
・5月部会で改めて状況を確認し、2027年UCIカレンダー登録に向けた最終判断を行う
・UCIレースについては、JCFが競技主管として実質的に関与する体制を含めて協議を継続

2027年UCIカレンダー登録に向けた論点整理

UCIへのカレンダー登録は概ね6月中の対応となるため、5月部会までに必要な情報を揃えることを確認した。
【事務局への依頼事項】
・各レースのカレンダー登録方針について、5月部会までに情報を集約
・ツール・ド・おきなわについては、上記の運営体制レビューと連動
【コンチネンタル登録に関する論点(UCI照会中)】
・国内UCIレースにおける日本登録チーム内の日本人選手数のコントロール可否:UCIに照会済(事務局)。回答待ち
・大学チーム所属選手のコンチネンタル登録:UCI標準契約書の排他条項に抵触する可能性があり、現状の「学連チーム×コンチネンタル」二重所属の運用が無効になる懸念がある
 〇対応策として、NF(JCF)独自レギュレーションで例外を規定する案をUCIに照会中(クラブチームとの併存に限定し、コンチネンタルチーム側の事前同意を要件とする)
 〇回答が得られ次第、5月部会で正式に議論

ナショナルチーム派遣選手の報告(TOJ/ツール・ド・熊野)

清水祐介氏(強化サイド)から、各レースの派遣選手・派遣目的・選考理由が文書で部会に共有された。
【ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)】
・HPCJC(ハイパフォーマンスセンター)選手を中心に、鎌田選手・吉田選手を加えた構成
・アンダー世代育成という位置付けを明確化
【ツール・ド・熊野】
・HPCJCを中核としつつ、渡辺選手・橋本英氣選手を加える構成
・国内TT・登坂系での経験値積み上げを意図
【議論:派遣の位置付けと選考の透明性】
・「アジア選手権等のナショナルチーム派遣」と「国内ステージレースのナショナルチーム編成(コンチネンタルに枠が無い選手の受け皿)」は本来別のものだが、選手・関係者からは同一視される傾向がある
・結果として「同じ選手が固定化されている」との不満につながりやすい
・派遣目的と選考理由を毎回オープンに発信する方針を継続。ロード部会としては選考そのものへの介入は抑制しつつ、発信面では関与可能
【HPCJC選手の活動状況】
・HPCJC所属選手は育成を中心とした活動を継続中
・現時点ではアンダー世代を中心とした取り組みが進められている段階であり、今後の成果に期待

新たな強化選考・派遣基準について

第7回部会で確認した通り、今後10年使える新たな強化選考および派遣基準の整備を、選手強化委員会・HPCJC(三瓶氏ほか)と並行して進めている。
強化指定選手の選考基準に加え、各国際大会・国内大会への派遣基準についても、合わせて検討する必要があるとの認識が共有された。
今回の部会では、現状の課題認識と今後の進め方について議論した。
【現状認識と方向性】
・強化選考・派遣ともにガバナンスコードを踏まえ、できる限り客観的な基準で運用することを基本とする
・現行の選考基準は欧州ワールドツアー/プロチームに日本人選手が多数所属することを前提とした「ヨーロッパ至上主義」的構造だが、現実はその前提から離れつつあるため、新しい時代に対応した基準への更新が必要
・推薦制を併用する場合でも、推薦の客観性を担保できるロジックを併記する設計とする
・ロード部会で進めてきた選手育成パスウェイとの連動を必須要件とする
・派遣基準については、派遣目的・対象大会の格付けに応じて整理する
【JBCF JPT選手会からのヒアリング】
現場の声を反映するため、JBCF JPT選手会(JPT登録の各チーム代表で構成)からも意見を聴取している。
今回の部会で寄せられている主な論点が共有された。
・アジア選手権等の選手選考について、UCIレースで実績・ポイントを有する国内選手が呼ばれていないケースに対する疑問
・ナショナルチーム派遣が近年同一メンバーで固定化しているとの指摘
・過去にあったナショナルチーム合宿や複数レースでの編成共有が消滅し、海外組と国内組の交流機会が減少している点への懸念

【次回に向けて】
・上記のヒアリング結果と現状認識を踏まえ、部会員各位からも強化選考・派遣基準の案を持ち寄っていただく
・次回部会で各案を持ち寄り、選考基準・派遣基準の双方の方向性を集中議論する

エキシビションレースについて

2027年UCIカレンダー登録を控え、エキシビションレース(興行性の強いレース)における競技主管のあり方について議論した。
【論点】
「エキシビションレースを盛り上げること」と「JCFが競技主管として関与すること」は別の話として切り分けて議論する必要がある、との認識が共有された。
・興行(イベント)としての盛り上がり・発展は、それ自体として尊重されるものである
・一方、競技主管・UCIカレンダー登録は競技性(公正性・記録の正統性)を担保することが前提であり、興行性の強いレースに対してJCFが競技主管に入り、UCIカレンダーに登録する立て付けには再検討の余地がある
【今後の対応】
・2027年UCIカレンダー登録の打診時の部会としての判断にあたり、競技主管としての立て付けを継続するか、別の関与形態(共同演出等)に切り替えるかを含めて再整理

報告事項

【メディア連携】
・全日本選手権の中継・発信に関連し、メディアパートナーとの連携協議が進行中
・部会長から「方向性としては良い形で着地できる見込み」との共有(詳細は協議中につき本報告では割愛)
【全日本選手権関連】
各部会員の現地参加状況を共有

部会長コメント

2026年度の最初の部会となりました。
新年度を迎えるにあたり、運営面・選考面ともに「客観性」と「透明性」を一層意識した部会運営を進めてまいります。
競技と興行の切り分け、関係各位との責任分担の整理は、ロード競技全体の信頼性を高めるための土台と考えており、丁寧に議論を重ねていきます。
強化選手の選考と派遣についても、関係者・選手と対話を重ねながら、中長期で活用可能な基準づくりを進めていきます。
今期はJBCF JPT選手会からも選考に関するご意見をいただいており、現場の声を反映した基準設計を進めてまいります。
ツール・ド・おきなわについて一言申し上げます。
「これまで事故がなかったのだから大丈夫」というご意見、あるいは「ロード部会が沖縄に難癖をつけている」というご意見も耳にしますが、いずれも本質を全く理解されていないものであり、こうした見方こそがロード種目を停滞させる一因であると考えております。
我々は安全なレース運営を大前提としたうえで、ロード競技の発展を目指す立場であり、この姿勢に妥協はありません。
沖縄は多くの選手に愛され、長年にわたり日本のロード競技を支えてきた大切なレースです。
だからこそ、安全運営の観点から主催者と密に連携を取り、持続的に開催できる形を共に築いてまいります。

ロード部会としては、現場の選手・審判・主催者を第一としたレース環境を整え直すことを基本方針として取り組みます。
その過程では、いかに歴史のある団体やレースであっても、安全と公正の観点から見直しが必要であれば一切容赦なく踏み込む所存です。
また、従来の関係性や各方面への配慮が、本来あるべき判断の軸を曇らせることがあってはならないと肝に銘じております。
判断の軸は常に、現場の選手・審判・主催者の安全と、競技の公正性に置かれるべきものです。
これは特定の団体・大会を排除する意図ではなく、ロード競技そのものを次の世代に確実につないでいくための責務として行うものです。
あわせて、過去の事象についても、必要であれば改めて検証と反省を行うべきと考えております。
これまでに発生した重大事案のなかには、その後の原因究明や再発防止策が組織として十分に整理・共有されているとは言いがたいものもあり、こうした課題に競技団体全体として正面から向き合うことが求められていると認識しております。
過去を曖昧にしたままで未来の安全は語れません。引き続き、避けてきた論点にも誠実に手を入れてまいります。
一部の議題は関係各方面と協議中のため、本報告では概要のみの記載となっております。
引き続き、皆さまのご協力をお願い申し上げます。

次回部会・予定議題

【次回部会】
2026年5月26日(火)
【次回宿題】
新たな強化選考・派遣基準(部会員各位の案持ち寄り)
・強化指定選手の選考基準と、各大会への派遣基準を両輪として整備
・推薦ベースではなく、明確な基準を追加していく方針で整備
・派遣基準は派遣目的・対象大会の格付けに応じて整理
・選手育成パスウェイとの連動を必須要件とする
・選手強化委員会・HPCJC(三瓶氏ほか)と並行して検討
・部会員各位からも強化選考・派遣基準の案を持ち寄り、JBCF JPT選手会のヒアリング結果と合わせて集中議論する

【次回予定議題】
1. 主管規定の整理
・UCIレースの競技主管・委託料の整理(第7回より継続)
・各UCIレース/エキシビションレースの競技主管のあり方
・大学チーム×コンチネンタルチームの二重所属に関するNF独自レギュレーション
・国内UCIレースにおける日本人選手数管理の可否
2. 国内競技規定の統一化
・国内で運用されている各種競技規定の整合性を確認し、統一化に向けた整理を進める
・次回部会で論点・スコープを整理する
3. 高校生世代の育成について
・パスウェイ上のT1(高校生段階)にあたる選手層の育成について、現状把握と今後の方向性を整理する
・次回部会で論点を共有し、今後の進め方を協議する

【継続協議事項(5月部会で最終判断・方針確定)】
・ツール・ド・おきなわ運営体制の最終判断
・2027年UCIカレンダー登録方針の決定
・コンチネンタル登録関連UCI回答に基づく方針確定


公益財団法人日本自転車競技連盟
ロード部会長
加地邦彦