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2026/07/06

JCFロード部会第11回会合のご報告(2026年6月23日/2026年度第3回)

公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)ロード部会は、2026年6月23日に第10回会合を開催し、「普及用新カテゴリーの検討」「コンチネンタルチーム登録における日本人選手の活躍機会確保」「強化指定選手選考の新基準策定」「グラベル世界選手権への選手派遣」「競技主管規程の整備」「全日本選手権タイムトライアル代替開催の検討」について議論を行いました。

出欠状況

出席者:加地/中梶/飯田/別府/今西/大庭/川口/栗村/松村/古家
欠席:辻/樫木
ゲスト(強化スタッフ):三瓶(HPCJC)
事務局:斎藤松隈

会合の概要

本会合では、競技人口の拡大と参入障壁の低減を目的とした新カテゴリーの設計を中心に、コンチネンタルチームにおける日本人選手の活躍機会の確保、強化指定選手の選考の新基準策定、グラベル世界選手権への派遣体制、競技主管のあり方の規程化、そして全日本選手権タイムトライアルの代替開催など、競技の裾野拡大から強化、大会運営の健全化まで幅広い議題を扱いました。

普及用 新カテゴリーの検討

競技用自転車の価格が、新たにスポーツとして自転車に取り組む層にとっての参入障壁となっているという問題意識から、メーカー各社との連絡協議会での議論を踏まえ、価格を抑えつつ機材による性能差を小さくする新カテゴリーの設計について議論しました。
・規制は最小限・シンプルとし、競技としての魅力を損なわない設計を基本方針とすることを確認した
・初心者・新規参入層を主たる対象としつつ、将来的な普及・育成につなげていく
具体的な内容については引き続き検討を進めており、詳細は後日あらためて発表予定です。

コンチネンタルチーム登録における日本人選手の活躍機会確保

国内のコンチネンタルチームに所属する日本人選手の出場機会を実質的に確保するため、登録要件の見直しについて議論しました。
・現行の「日本国籍チームは日本人選手 50%」という要件は維持しつつ、日本人選手については前年の出走実績(稼働率)を加味する仕組みを導入する方向を確認した
・一定の稼働率に満たない選手は人数のカウントから除くことで、登録上の人数合わせにとどまらない 実質的な出場機会の確保を促す
・若手選手の起用が不利にならないよう育成枠(25歳以下)への緩和措置を設けるとともに、怪我等の正当な理由による不出走については除外規定を設ける
・UCI との確認を踏まえ、2027年は方針の提示にとどめ、2028年からの適用とする
本方針について部会で承認し、今後、対象となるコンチネンタルチームを対象とした説明会を開催する予定です。

強化指定選手 新基準の策定(ロード)

ロードレースの競技特性(コースや展開によって求められる選手像が変化する点)を踏まえ、公平・客観・透明な選考を実現するための新たな選考基準の策定について議論しました。
・選考は、定量評価による一次選考と、加盟団体・チーム・コーチ・部会等からの推薦による二次選考の二段階とし、推薦には理由・実績を明記する運用とする
・選手の特性(種目別)に応じた区分を設けるとともに、グレードに応じて支援内容を整理する
・国内レースの評価をより重視し、国内での活躍を強化指定につなげる方向性を明確にする
・候補者リストを強化スタッフが精査して最終案を作成し、部会の承認を経て選手強化委員会に接続するプロセスとする
あわせて、合宿等を通じたパワーデータの計測・管理体制の整備や、強化指定選手とコーチ・事務局が日常的にコンディションや予定を共有できる連絡体制の構築の必要性を確認しました。本選考基準の素案を承認し、種目別区分の判定基準等の詳細は引き続き整理していきます。

グラベル世界選手権への選手派遣

グラベル世界選手権への日本代表選手派遣に向けて、グラベル種目の強化指定の新設と 選考の枠組みについて議論しました。
・グラベルのワールドシリーズ・国際レースの上位者、および国内開催レースの日本人最上位者を基本に、関連部会(ロード・シクロクロス・マウンテンバイク)からの推薦を組み合わせて選考する
・エリート派遣にあたっては、現地での運営・連絡対応を担うスタッフ(マネージャー)の帯同を必須とし、体制とコストの確保を進める
本枠組みの規定案を承認し、正式な規定への落とし込みと、対象選手への打診を順次進めます。

競技主管規程の整備

JCFがUCIレース等で担う「競技主管」について、その定義と業務範囲が明確でないという課題を踏まえ、規程として整備する方針を議論しました。
・大会の安全性・公平性・規則遵守の確保、コース確認、審判員・役員の選定と配置、UCI との連絡調整、そして大会後のモニタリング・ヒアリングを通じた改善といった業務を明確に位置づける
・とりわけ、大会運営を客観的に確認し、得られた知見を国内のレースに迅速に反映していく役割を重視する
・料金については、安全な運営実績に応じた調整の仕組みを設けるとともに、ジュニア育成・普及を目的とするレースについては負担を求めない整理とする
主管の業務内容と料金体系を明確にすることで、主催者にとっても主管の役割と内容が分かりやすくなり、国内レース全体の質の向上につながるとの方向性を共有しました。今後、規定化に向けた手続きを進めます。

全日本選手権タイムトライアル(ジュニア・女子)代替開催の検討

本年度の代替開催に向け、会場と日程を検討しました。
・提示された会場案について、対面走行・下り区間を含む安全面の観点から慎重に検討した結果、当該案での実施は見送る整理とした
・他の主要大会との日程の兼ね合いを踏まえ、11月上旬を軸に、複数の会場候補で並行して 調整を進めることとした
選手の安全確保を最優先としつつ、タイムトライアルの開催機会確保に向けて引き続き調整を進めます。

報告事項

全日本選手権(ロード)の開催に向けて
・台風接近に備え、エクストリームウェザープロトコルに基づく対応方針を確認した
・開催地周辺の状況を踏まえた安全対策を講じるとともに、ジュニアについては費用面を考慮し 早期に開催可否を判断する方針とした
UCI関連
・2027UCI国際カレンダー登録について、所定の期限(7月1日)に向けてJCFとして承認手続を進める
・来年度の全日本選手権(ロード)の日程についても、規定に沿って登録を進める
・UCI総会での規定改定(機材規定、ジュニアのランキング新設等)について、追って情報共有を行う
グランフォンド世界選手権ワイルドカード
・開催国枠の取り扱いについて、全日本選手権の成績等を基準に対象者を整理する方針を確認した
競技用機材(ヘルメット)の確認
・ツール・ド・ふくしま(UCI グランフォンドワールドシリーズ/サイクリングフォーオール)を含む一斉スタートのロードレースにおけるヘルメットの使用可否の基準について、改めて関係委員会と共有し、大会現場での確認を徹底していくことを確認した

総括

本会合では、普及に向けた新カテゴリーの検討をはじめ、コンチネンタルチームにおける日本人選手の活躍機会の確保、強化指定選手の選考の新基準策定、グラベル世界選手権への派遣、競技主管のあり方の規程化、そして全日本選手権タイムトライアルの代替開催まで、競技の裾野拡大・強化・大会運営の健全化にわたる幅広い議論を行いました。
参入障壁の低減という長期的な課題に向けた検討を進めるとともに、選手の活躍機会と安全の確保、運営の透明性向上に向けた方向性を確認できた会合となりました。

部会長コメント

今回の部会では、競技用自転車の価格が新規参入の壁になっている現状に対し、メーカー各社のご協力を得ながら、価格を抑えつつ競技の面白さを損なわない普及用の新カテゴリーについて、規制は最小限・シンプルにという基本方針で議論を前に進めることができました。あわせて、コンチネンタルチームにおける日本人選手の活躍機会、強化指定や派遣の枠組み、競技主管のあり方まで、強化と運営の両面を一日で前に進められたと感じています。一方で、新カテゴリーの詳細設計や、全日本タイムトライアルの代替開催、各規程の文章化など、丁寧に詰めるべき課題も残っています。選手の安全と公正性を最上位に置きながら、関係各位との対話を続けてまいります。

今後の予定

・新カテゴリー:引き続き内容を検討、詳細は後日あらためて発表予定
・コンチネンタル登録:対象チームへの説明会を開催(夏季)、2027提示・2028適用
・強化指定・グラベル派遣:正式な規定への文章化、対象選手への打診
・競技主管規程:定義・業務・料金体系の文章化
・全日本選手権 TT 代替開催:11月上旬を軸に会場・日程を調整
・全日本選手権(ロード):開催に向けた安全対応(ジュニアは早期判断)
・UCI 関連:2027カレンダー登録・来年度全日本日程の登録(7月1日目処)
・第11回ロード部会:7月下旬を候補に調整


公益財団法人日本自転車競技連盟
ロード部会長
加地 邦彦