Stage5
Stage5はGANGHWA島を1周する87kmのアップダウンコースで争われた。
個人総合で上位5選手が10秒以内におり、チーム力で抜きんでていないフィンランドチームが個人総合リーダーのため、激しいレースになることが予想された。また山岳ポイントで1位と同点で2位の川崎がこの日逆転するためには50km過ぎにある3級山岳で4位までに与えられるポイントをとらねばならないが、そのためには山岳ポイントまで日本チームがコントロールする必要があった。この日の日本チームは山岳賞より山田、津田の個人総合のより上位へのジャンプアップを優先することとした。
レースはスタートしてアタックがかかり続けるが、日本チームは北宅を中心に対応して中盤からのアップダウン区間に備える。山岳ポイント手前の1kmの登り区間で山田がアタックをかけるが、総合上位陣が逃さず追走をかけてくる。山岳ポイント後に3番手で下っていた山田の前の選手が段差にハンドルを取られて落車し巻き込まれてしまう。アタック合戦でペースが上がっている中で山田はパンク交換もして大きく遅れてしまったが、湯浅、北宅が山田のバイクが直るまで待ち集団を追いかける。大きく離されてしまった集団に3名であきらめずに回し続け65km地点で集団に復帰する。日本チームで攻撃をかける予定でいたアップダウン区間での山田のトラブルであったが、個人総合2位のアメリカの選手もここで落車してバイクトラブルに見舞われる。攻撃をかけなければならないチームの連続したトラブルで集団も落ち着き集団スプリントの雰囲気となる。そのままゴールまで集団は分裂せず、ラストはVVWチームがコントロールしてエーススプリンターのKOOU Olavが今大会ステージ3勝目を果たした。日本チームは大河内がステージ4位となったが、川崎と湯浅がゴール前での大きな落車に巻き込まれてしまった。
この日個人総合2位のアメリカのBOURGOYNE Lucasがラスト10kmの下りで再び落車してリタイアとなり、山田が個人総合で4位、津田が9位となった。5日間のステージで日本チームはまとまりをみせて団体総合でも2位となった。
今回の韓国ネイションズカップでは日ごとにチームの連携、攻撃力も向上し、勝ち逃げにしっかりエース選手を乗せ続けることが出来た。チームでしっかり助けあい危険な状況をカバーし、状況に応じて話し合い行動することが出来るようになりつつある。また今大会では個人総合上位の選手、山岳賞の選手を抱えることでよりレース全体でのチームの動き方、またプレッシャーとの向き合い方を身につける良い機会となった。次回のジュニア遠征は今月下旬の世界選手権となる。
Stage5結果
1 KOOU Olav(WILLEBRORD WIL VOORUIT) 1時間56分24秒
2 REYNOLDS Tyler(ARAPAHOE HINCAPIE PB BMC RACING)同タイム
3 KURITS Joonas(フィンランド)同タイム
4大河内将泰(日本)同タイム
18津田悠義(日本)同タイム
34北宅柊麻(日本) 同タイム
64山田拓海(日本) 4秒差
65湯浅博貴(日本) 同タイム
72川崎三織(日本) 同タイム
Stage5 個人総合
1 VAINIO Veeti(フィンランド) 11時間36分19秒
2 KRUNSEN Jeite(WILLEBRORD WIL VOORUIT) 4秒差
3 MCNEIL Aldan (ARAPAHOE HINCAPIE PB BMC RACING) 6秒差
4山田拓海(日本) 10秒差
9津田悠義(日本) 1分9秒差
13大河内将泰(日本)3分29秒差
18川崎三織(日本)同タイム
20湯浅博貴(日本) 同タイム
64北宅柊麻(日本) 16分7秒差
JCF強化コーチ 柿木孝之