2015 Tour of Thailand第2ステージ
第2ステージはノンカイからメコン川沿いを通り、平坦基調の小さなアップダウンを抜けてノンカイに戻る128kmで争われた。日本ナショナルチームは斎藤、坂口、智野、針谷の4名は47km、96kmスプリントポイント10km以上前からの逃げによるボーナスタイム獲得、そしてタイム差をつけた逃げに入ることで個人総合上位を狙った。
レーススタート直後からアタックがかかり続け、HITECHチーム、GPCが中心となりレースを動かしてくる。1回目のスプリントポイントから離れたところからタイの選手が1人で逃げ続ける。HITECHのエースKICHEN LAURENとベトナムの選手がスプリントポイントを獲得するために追走をかける。その動きで集団は一気にペースが上がり、小さな丘があったこともあり18名の先頭グループが出来る。ベトナムは総合リーダーを含めて2名、HITECH3名、香港2名、チャイニーズタイペイ2名、日本ナショナルからは坂口と針谷の2名がここに入る。この総合上位陣が全員含まれるグループがタイム差をジワジワ広げていき、1分ほどの差をつける。一時的にメイン集団は動きが止まり、先頭集団は決定的かと思われたが、先頭グループは総合上位陣が全員含まれていたこともありうまくまとまらず、逆に乗り遅れたチームが淡々と追いかけたこともありタイム差が縮まっていく。日本ナショナルチームは個人総合成績を上げる大きなチャンスではあったが、次の機会を狙う。
2回目のスプリントポイントは集団スプリントとなり、KICHEN LAURENが1位通過して、個人総合で順位を上げてくる。スプリントポイント後は香港のPANG YAOが1人抜け出して集団に40秒ほどの差をつけて道幅の広い直線路を進むが、ラスト15kmで集団に吸収される。日本ナショナルチームは集団スプリントにならないように、ラスト12kmで形成された6名の逃げに智野が入る。この逃げにはHITECHのエースでこの日スプリントポイントにも2位、1位通過しているKICHEN LAURENが入っており、彼女は逃げ切れば個人総合で大きなチャンスになるため全力で逃げ切りを目指す。ラスト8kmで集団に20秒ほど差をつけて進み、智野にとってもよい展開であったが、KICHEN LAURENがラスト3kmで力を見せつけるように先頭グループから1人抜け出した。智野を含めた5名はゴール前2kmで集団に吸収される。
KICHEN LAURENがそのままゴールまで独走して集団に2秒差をつけて優勝。2位以下は集団スプリントとなり集団の2番手でASAHI チームの吉川美穂選手が3位に入った。日本ナショナルチームはゴールスプリントでは作戦通りにはいかず、最後は針谷が坂口を誘導して連携したが坂口の7位にとどまった。智野はゴール前に落車に引っかかり、フレーム破損したものの落車は免れて集団ゴールとなった。
今日はスプリントポイントより大きく離れたところから逃げてスプリントポイントを取り、個人総合順位を上げる大きなチャンスのある日であったが、ボーナスタイム獲得に向けてチームで動くことができなかった。リスクを負っても攻撃を仕掛けなければ結果を得ることは出来ない。この日勇気を持って動いたタイの選手はボーナスタイム3秒を稼いで個人総合順位を6位まで上げた。最終ステージとなる第3ステージは、スプリントポイントによるボーナスタイム獲得、チームで攻撃をかけてタイム差のつく逃げを決めて個人総合10位以内を狙って戦う。(JCF強化コーチ 柿木孝之)
第2ステージ結果
1 KICHEN LAUREN (HITECH PRODUCTS TEAM) 3時間13分12秒
2 HUANG TING RING (チャイニーズタイペイ) 2秒差
3吉川美穂(ASAHIチーム)同タイム
7坂口聖香(日本体育大学)同タイム
20針谷千紗子(LIVE GARDEN BICI STELLE)同タイム
21斎藤望(日本体育大学)同タイム
39樫木祥子(駒澤大学)同タイム
52智野真央(ニールプライド南信スバル)同タイム
第2ステージ総合成績
1 KICHEN LAUREN (HITECH PRODUCTS TEAM) 5時間48分8秒
2 HUANG TING RING (チャイニーズタイペイ) 4秒差
3 NGUYEN THI THAT (ベトナム) 4秒差
11坂口聖香(日本体育大学) 17秒差
16斎藤望(日本体育大学)同タイム
33智野真央(ニールプライド南信スバル)同タイム
35針谷千紗子(LIVE GARDEN BICI STELLE)同タイム
43樫木祥子(駒澤大学)25秒差