■ 大会レポート 第2ステージ
開催日:8月25日(月)
コース:サン=シンフォリアン=シュル=コワーズ〜ヴィトリー=アン=シャロレ 136.7km
出走人数:155名/27ヶ国
サン=シンフォリアン=シュル=コワーズからヴィトリー=アン=シャロレまでの136kmで行われた第2ステージは、厳しい暑さのなかでスタートを迎えた。14kmにおよぶ長い下りのニュートラル区間を経てリアルスタートが切られると、すぐに3級山岳が登場。その後も2つの4級山岳が控えており、カテゴリー上は平坦ステージに分類されているものの、細い道をつなぎながら起伏を繰り返す、テクニカルなコースプロフィールとなっていた。
日本チームは前日に続き、逃げに乗ることを一つの目標としてスタート。序盤のアタックに反応していく展開を想定していたが、距離の短さも影響し、最初の3級山岳からすでに平均時速45km/hを超える高速レースに。集団前方では強豪国のリーダー格の選手たちが激しいアタックを繰り広げ、縦に長く伸びる展開の中、日本チームはアタックに加わるどころか、前方に位置することすら困難な状況に置かれた。
多くの選手が脱落していくなか、レース中盤には15カ国19名から成る先頭集団が形成される。この強力なグループはそのまま逃げ切り、メイン集団に2分27秒の差をつけてフィニッシュ。最後はROWE Elliot(イギリス)がスプリントを制し、ステージ優勝を飾った。
日本チームでは、望月蓮が最高位。前半の登坂区間で苦戦しながらも粘り強くメイン集団に残り、集団内15位・区間34位でフィニッシュした。鎌田晃輝、橋川丈、岩村元嗣も同集団でレースを終えた。渡辺一気は先頭から3分36秒差、林原聖真は12分14秒差でそれぞれフィニッシュ。15名がリタイアまたはタイムオーバーとなる厳しいステージとなったが、日本チームは6名全員が無事に完走し、次のステージへと駒を進めた。
■ 望月 蓮 コメント
前半のアップダウン区間では登りのペースが速く、前方に上がることができなかった。しかし、登りが落ち着いてからは体力も回復し、スプリントに挑戦できた。他の集団が前にいることはわかっていたので、順位にはこだわらず、自分のスプリントの位置取りの感覚を確かめることを意識した。集団内の密集度はそこまで高くなく、怖さも感じなかったので、良い感触を得られた。
前半に後手を踏むと、その後は何もできなくなってしまう。明日以降は、前方でチームメートをサポートしたり、逃げに反応したりと、より積極的な走りをしていきたい。
■ 清水 裕輔 監督 コメント
選手によっては、明日以降のステージを見据えた走りを意識していたものの、実際のレースは想定を大きく上回るハイペースとなり、逃げに乗ることは叶わなかった。ただ、脱落者が続出するほどの厳しい展開の中で、チーム全体が一丸となって粘り、メイン集団内で耐えられたことは、日本チーム全体の走力が確実に向上していることを示している。今後のステージでも十分にチャンスが残されていると確信している。
距離が短いからこそ非常に厳しいレースになることは予想していたが、それを上回る難易度だった。まずはこの過酷な状況の中でメイン集団に残った選手たちの走りを高く評価したい。世界のレベルが確実に上がっている一方で、日本人選手たちの基礎的な力も着実に引き上げられてきている。
■ リザルト(第2ステージ区間成績)
1位 ROWE Elliot(イギリス) 2:59:02
2位 LEIDERT Louis(ドイツ)
3位 KESS Alexandre(ルクセンブルグ)
34位 望月蓮 +2:27
45位 鎌田晃輝 +2:27
63位 橋川丈 +2:27
66位 岩村元嗣 +2:27
136位 渡辺一気 +3:58
137位 林原聖真 +12:14
■ 派遣情報
大会名:2025 Tour de l’Avenir
カテゴリー:UCI U23ネーションズカップ
開催期間:2025年8月23日(土)~29日(金)
開催地:フランス・オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地方(Auvergne-Rhône-Alpes)
特別協賛:Team NIPPO(株式会社NIPPO)、弱虫ペダル
8月23日(土)プロローグ ティーニュ〜ティーニュ1800 3km(ITT)
8月24日(日)第1ステージ アオスト〜サン=ガルミエ 188.6km
8月25日(月)第2ステージ サン=シンフォリアン=シュル=コワーズ〜ヴィトリー=アン=シャロレ 136.7km
8月26日(火)第3ステージ エタン=シュル=アルー〜シャティオン=シュル=シャラロンヌ 158.6km
8月27日(水)第4ステージ モンタニャ〜ヴァル・シュラン 110.2km
8月28日(木)第5ステージ サン=ジェルヴェ・モンブラン〜ティーニュ2100 121km
8月29日(金)第6Aステージ ラ・ロジエール〜ラ・ロジエール 41.6km
第6Bステージ モンヴァルザン〜ラ・ロジエール 10.3km(ITT)
総走行距離 770km
■ 派遣選手
鎌田 晃輝(大阪・JCL TEAM UKYO/日本大学)※U23ロードレース アジアチャンピオン
渡辺 一気(北海道・京都産業大学)
林原 聖真(鳥取・明治大学/群馬グリフィン)
橋川 丈(福島・愛三工業レーシング)※U23タイムトライアル 日本チャンピオン
岩村 元嗣(大阪・早稲田大学)
望月 蓮(山梨・Team Buffaz Gestion de Patrimoine)
■ 派遣スタッフ
清水 裕輔 監督
中根 英登 コーチ
市川 貴大 メカニック
酒井 駿 メカニック
西幹 祐太 マッサー
坂本 拓也 マッサー
写真:Sonoko Tanaka

















































