日本代表チーム:石原悠希、山本大喜、松田祥位、渡辺歩、
大前翔、大町健斗、蠣崎優仁
第1ステージ サンタンデール 800m個人TT
1 ANGULO Antonio(スペイン/RIAS BAIXAS)1m39s
2 CEPEDA, Jefferson(エクアドル/CAJA RURAL-SEGUROS RGA)+3s
3 URBANO, Carmelo(スペイン/B.RODRIGUEZ-EXTREMADURA)+6s
…18大前翔、21石原悠希+9s、32松田祥位+11s、54山本大喜+15s、80蠣崎優仁+18s、93大町健斗+19s、140渡辺歩+26s
完走162人/出走162人
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スペイン北部カンタブリア州で開催される今大会は、外国チームの参加が3チーム以内と制限されている中、ナショナルチームとしては毎年U23の世界選手権ロード準備レースとして出場している。第1ステージはプロローグ的な800mの登坂個人タイムトライアル。集客を考慮しナイターレースが試みられた。日本チーム最上位は大前でトップから9秒遅れの18位、次いで石原、松田と僅差でまとまりチーム総合も6位につけ好調スタートとなった。続く2つのステージは共に約150㎞のロードレース。各ステージで積極的に攻め上位を目指しながらコンディションを上げて行く。 / 浅田 顕
Stage3はYeoncheonの運動公園からHwacheonまでの平坦基調の115kmのコースで争われた。この日のステージは60km地点過ぎから緩く登り始めて65km地点から3kmの山岳ポイントのある登り区間があり、その頂上からゴールまでは平坦基調となる。ただ100kmあたりに1.5kmの勾配のきつい登り区間があり、この2つの勝負所でレースが大きく動くと予想され、日本チームは小野寺と馬越で個人総合上位を狙った。
スタートしてすぐにアタックがかかり、アメリカ3名、オランダ2名を含む10名の先頭グループが形成されて、その中に香山が入る。先頭集団は複数名を入れたアメリカ、オランダが積極的に牽き、カザフスタンがコントロールする集団に1分20秒ほどのタイム差をつけてレースは進む。先頭10名のペースは良くカザフスタンもコントロールに脚を使う。日本チームにとっては非常に良い展開で、この日のステージで勝負する小野寺、馬越を登り口まで温存する。登りに入ると強力なアタックはないが、集団からこぼれていく選手が増えていく中で、優勝候補のアメリカのVOLLMER ANDREWがアタックして、小野寺がそれに反応して集団は15名ほどになる。この登りで出来た先頭グループ15名にはカザフスタン4名、フランス2名、アメリカナショナル1名、アメリカHOLOWESKO2名、韓国のチーム2名に日本からは小野寺と馬越の2名が入り後続集団を大きく引き離して2分差をつける。ラスト20kmの勾配のある1.5kmの登り区間で先頭集団でも動きがあり、ここで馬越ら5名が遅れて先頭は10名となる。カザフスタン4名、フランス2名を含む先頭集団の中で、小野寺は攻撃をするが逃げを打ちたいチームは出てこない。ラスト4kmで少し牽制の入った先頭集団に馬越が4名で合流して先頭集団は14名となる。ここからラスト1kmあたりでカザフスタンのFEDOROV Yevgeniが抜け出しそのまま独走で優勝し、2位争いのスプリントでは小野寺が5位、馬越が7位となった。
カザフスタンが圧倒的に有利な展開の中で、ゴール前で日本チームは冷静さを欠いてしまった。今年のジュニアレースで多くの結果を残しているアメリカのVOLLMERや2名残っていたフランスチームらは小野寺が先頭集団でのアタックに一番に反応するので、それを利用して後ろで力を温存していた。今大会はステージ3位までにつくボーナスタイムが個人総合争いで重要な中で、ここまでのステージで誰がスプリント力のある選手か分かっていながら、それを確認せずにゴール前でもただ動くだけの選手に反応してほかのチームにうまく使われる走りとなってしまった。
明日のstag4は今日のステージの登りより厳しく集団が分断されると予想される。チームでしっかり動いて馬越、小野寺の個人総合での上位進出を狙う。
Stage3 結果
1 FEDOROV Yevgeniy (カザフスタン) 2時間49分53秒
2 PRONSKIY Daniil (カザフスタン)6秒差
3 BRUSSENSKIY Gleb (カザフスタン) 同タイム
5 小野寺慶(日本) 同タイム
7 馬越裕之(日本) 同タイム
33 福田圭晃(日本) 3分7秒差
34 香山飛龍(日本)同タイム
48 日野泰静(日本)同タイム
62 湯浅博貴(日本)同タイム
Stage3 個人総合成績
1 FEDOROV Yevgeniy (カザフスタン) 6時間51分57秒
2 BRUSSENSKIY Gleb (カザフスタン) 4秒差
3 PRONSKIY Daniil (カザフスタン)16秒差
7 馬越裕之(日本) 22秒差
8 小野寺慶(日本)同タイム
24 福田圭晃(日本) 3分17秒差
25 日野泰静(日本) 3分19秒差
42 香山飛龍(日本) 3分23秒差
43 湯浅博貴(日本)同タイム
JCF強化コーチ 柿木孝之
Stage2はGimpoのショッピングモールからYeoncheonの運動公園までの平坦基調の83kmで争われた。昨年のこのステージでは松田祥位がステージ優勝しており、今年もチームでの連覇を狙った。
スタートしてアタックが続くが大きくタイム差は広がらない。日本チームは昨日のゴール付近での落車のダメージのある湯浅以外は集団前方をキープし、有力チームのアタックにはしっかり対応し続ける。個人総合に関係のない選手らのアタックが続くが、カザフスタン、オランダ、日本がしっかり集団ゴールに向けて動くとゴール3km前には一つの集団になる。小野寺がそこから昨日に続き集団先頭で日本チーム牽引して湯浅、香山につないでラスト1kmの危険なロータリーを先頭で通過し、そこから最終列車の馬越がペースを上げる。しかし福田と日野がはぐれてしまいそこからはオランダ、カザフスタンが主導権を取りステージはオランダのRUSDUCK Nathanが制した。チームとしてゴールに向けてよい動きをみせたが、結果にはつながらなかった。明日から山岳ステージが始まるが、日本チームは好調の小野寺、馬越で個人総合上位を狙う。
Stage2 結果
1 RUSDUCK Nathan(オランダWillebrord Will Vooruit)1時間56分43秒
2 FEDOROV Yevgeniy (カザフスタン) 同タイム
3 BRUSSENSKIY Gleb (カザフスタン) 同タイム
9 福田圭晃(日本) 同タイム
10 日野泰静(日本) 同タイム
70 小野寺慶(日本) 同タイム
51 馬越裕之(日本) 同タイム
81 湯浅博貴(日本) 同タイム
86 香山飛龍(日本) 同タイム
Stage2個人総合成績
1 BRUSSENSKIY Gleb (カザフスタン) 4時間2分6秒
2 RUSDUCK Nathan(オランダ Willebrord Will Vooruit)4秒差
3 FEDOROV Yevgeniy (カザフスタン) 8秒差
4 福田圭晃(日本) 同タイム
5 日野泰静(日本) 10秒差
37 馬越裕之(日本) 14秒差
41 小野寺慶(日本) 同タイム
77 湯浅博貴(日本) 同タイム
79 香山飛龍(日本) 同タイム
JCF強化コーチ 柿木孝之
8月31日から韓国と北朝鮮の国境付近で開催される韓国ジュニアネイションズカップTour de DMZがスタートした。このツアーは昨年からジュニアネイションズカップに加わり、今年はアメリカ、フランス、カザフスタンなどの強豪ナショナルチームのほかアジアの多くのナショナルチーム、オランダロードチャンピオンを擁するクラブチームとアメリカの強豪クラブチーム、韓国の複数の高校チームの計24チーム139名が参加する。日本からはナショナルチームのほかにネイションズカップになる以前からこの大会に参加している神奈川選抜チームも参戦する。日本ナショナルチームは小野寺慶、日野泰静、福田圭晃、香山飛龍、馬越裕之、湯浅博貴の6選手で挑む。第1ステージと第2ステージ、そして最終の第5ステージは平坦基調のコースで、第3ステージと第4ステージは登り区間が勝負所となる。
Stage1は今年から新設されたステージでGanghwado島を1周する87kmで争われた。多少のアップダウンがあるものの平坦基調のコースで、海からの風が吹かなければ集団スプリントになることが予想された。スタートして50km/hオーバーのハイペースで進む中、20km過ぎで馬越が今大会のカザフスタンのエース選手と思われるFEDOROV Yevgeniyと2名で逃げて集団に1分差をつける。しかし優勝候補のアタックに対してアメリカ、フランスが集団をコントロールして15kmほどで吸収される。その後も単発の逃げがあるが、山岳ポイントはスプリント勝負となり小野寺が3位通過する。集団スプリントに向けて進んでいくなかで日本チームは集団前方をキープして多発する落車にも引っかからず最終局面を迎える。小野寺が集団最前列で日本チームのポジションをキープしてフランスの列車と張り合い、その後はカザフスタン列車に対抗して馬越、福田、日野の列車でスプリントを狙ったが、この日はカザフスタンの列車のほうが枚数も力もあった。福田がラスト400mほどからスプリントを開始したがカザフスタンのBRUSSENSKIY Glebが先行し、福田が2位、日野が3位に入った。このステージは勝つことはできなかったが、キャプテンの小野寺、そして馬越がレース全般を通してチームとして良い動きをみせた。
明日のstage2も平坦基調のコースであり、福田、日野のスプリント勝負でステージ優勝を狙う。
Stage1 結果
1 BRUSSENSKIY Gleb (カザフスタン) 2時間5分37秒
2 福田圭晃(日本) 同タイム
3 日野泰静(日本) 同タイム
41小野寺慶(日本) 同タイム
43馬越裕之(日本) 同タイム
81香山飛龍(日本)同タイム
84 湯浅博貴(日本)同タイム ※ラスト2kmでの落車に引っかかり遅れたものの3kmルール適用で同タイムゴール
JCF強化コーチ 柿木孝之