トラック1日目 レポート
8月27日、ジャカルタ市内に新設されたジャカルタ・インターナショナル・ベロドローム(木製・250メートル)でアジア競技大会の自転車トラック競技が開幕した。31日まで5日間の日程で、男女それぞれ7種目が開催される。
初日は午後からチームスプリント予選・決勝とチームパシュート予選が行われた。男子チームスプリントは、雨谷一樹(一般社団法人日本競輪選手会栃木支部)、新田祐大(一般社団法人日本競輪選手会福島支部)、深谷知広(一般社団法人日本競輪選手会愛知支部)が出走。予選ではスタートでミスがあり再スタートとなった。それが影響して序盤はタイムが伸びなかったものの、2走目の新田、3走目の深谷が自己ベストを更新する素晴らしい走りをみせ、44秒489のタイムで予選を4位通過。韓国との3−4位決定戦へと進んだ。3−4位決定戦では、すべてが噛み合い、日本チームの実力を発揮。予選でマレーシアが出した大会レコードの43秒934を上回る、43秒899をマークし、大会レコードを更新するとともに、韓国を下して銅メダルを獲得した。男子チームスプリントは、2014年の仁川・アジア大会から二大会連続の銅メダル獲得。
前田佳代乃(京都府自転車競技連盟)と太田りゆ(一般社団法人日本競輪選手会埼玉支部)が出走した女子チームスプリントは、予選を男子と同じく4位通過。韓国との対戦となった3ー4位決定戦では予選よりもタイムを削り、33秒911秒でゴールしたものの0.435秒差で韓国に破れ、最終成績は4位となった。
女子チームパシュート予選は、梶原悠未(筑波大学)、中村妃智(日本写真判定株式会社)、吉川美穂(Live Garden Bicistelle)、橋本優弥(鹿屋体育大学)が出走。4分33秒768のタイムで5カ国中3位となり、28日に開催される第一回戦では、予選2位の中国と対戦する。
近谷涼、一丸尚伍(TEAM BRIDGESTONECycling)、今村駿介(中央大学)、沢田桂太郎(日本大学)で挑んだ男子チームパシュート予選は、中盤に一丸と沢田が相次いで遅れ、隊列が乱れてるアクシデントがあり失速。10カ国中5位となる4分12秒173でゴールし、第一回戦では、予選8位のUAEと対戦となるが、1−2位決定戦に進めるのは、予選上位4カ国のうちの2カ国となるため、日本は第一回戦以降、銅メダルをかけての戦いとなる。
●雨谷一樹のコメント
「予選ではミスをしてしまったが、3−4位決定戦ではいつもの走りができたので良かったと思う。」
●新田祐大のコメント
「予選で自分と深谷が自己ベストを出すことができた。ミスがあったものの3−4位決定戦に出ることができたので、タイムを出すことを目標に走り、全体で一番良いタイムを出すことができた。直前の落車で治療や調整をしながら大会を迎えたが、万全の状態にしてもらい、それが高いモチベーションにもつながった。昨日から身体は良い状態になり、今日も走るのが楽しみで、思った以上の成績が出た。とても良い大会になった。」
●深谷知広のコメント
「予選は残念だった。チームワークのバランスが崩れてしまったことが原因。しかし、決定戦ではしっかりと力を出すことができた。予選と決定戦でタイムが落ちてしまっているので、2本目にタイムを上げていくことを今後の課題にしたい。」
●ブノワ・ベトゥコーチ(短距離)のコメント
「女子チームスプリントの4位という結果には驚いてはいない。実力どおりであって、奇跡が起こることはないから。世界で戦うには、まだ体力などが足りていないと考えている。男子チームスプリントに関しては、メダルを獲得できたものの、このメダルの色は正直嫌いだ。予選でのスタートの失敗が響いてしまったことが原因であり、自分たちが負けたということだ。ここには優勝するために来ている。優勝する能力があるだけに残念だ。ポジティブな面を言うなら、新田と深谷が今回自己ベストタイムを出した。これが将来への自信につながっていくと思うので、次のレースを期待したい。」
●イアン・メルヴィンコーチ(中距離)のコメント
「男子は、ワールドカップはオリンピックの出場枠にも関わるため、今大会の2ヶ月後に開幕するワールドカップに照準を合わせる決断をした。そのなかで今大会が途中にあるため、両方で結果を出せるプログラム(筋力アップのためのジムプログラム等)を取り入れたが、結果として今日は噛み合わなかった。何人かはうまくいっているが、何人かは予想と違う反応が出ている。結果としては残念ではあるが、良いデータを取ることができたので、今回の経験を今後に活かして、早く結果を出せるように頑張っていきたい。明日、金メダルを取れないのは残念だが、銅メダルをめざして挑戦していきたい。できるかぎりの調整して、現時点でのベストの状態で走りたい。」
ツール・ド・ラヴニール(UCI U23ネイションズカップ最終戦)
8月26日 第10ステージ BESSANS ⇒ ST-COLOMBAN DES VILLEARDS113.5㎞
レース結果
第10ステージ成績
1 MÄDER Gino(スイス)02h54m19s
2 DUNBAR Edward(アイルランド)+0s
3 CHAMPOUSSIN Clement(フランス)+0s
…90大前翔+15m43s、112山本大喜+18m54s、 117渡辺歩+20m20s
124人完走/124人出走
最終個人総合成績
1 POGACAR Tadej(スロベニア)26h28m53s
2 ARENSMAN Thymen(オランダ)+1m28s
3 MÄDER Gino(スイス)+1m35s
…99山本大喜+1h00m20s、107大前翔+ 1h08m04s、122渡辺歩+1h29s05s
最終完走者124人/初日出走者156人
コメント
最終ステージは予定していた標高2700mリズラン峠が積雪と凍 結のためレースコースが短縮されてスタート。 レースは激しいアタック合戦を続けながら超級山岳、 登りゴールとなる1級山岳辺と向かった。 個人総合争いも決着はついておらず、 ゴールまで上位選手同士の戦いの末、 ステージ優勝は2勝目のスイスのマデール、 個人総合はスロベニアのポゴチャーがチェコのネイションズカップ に続き連勝し事実上のU23頂点に立った。 日本勢は序盤のアタック合戦を試みるも、 登りが始まってからは完走目的のグループでゴールを無ざし規定時 間内ゴールとなった。 10日間のレースを終え石上の骨折によるリタイヤを始め多くのト ラブルがあったが、 それらを考慮してもトップと今回の日本チームとの差を痛感した。 U23の世界レベルは上位選手層を中心に確実にプロレベル化が続 いてきている中、 U23ナショナルチームの活動の在り方が問われる。/浅田 顕
大会名:2018UCIトライアルワールドカップ(第2戦)
開催日:2018/08/25-26
開催地:ヴァル・ディ・ソーレ(イタリア)
男子エリート26の塩﨑太夢は、トップ10ランカーとして1/ 2Finalから出場。1ラップ目は21位と出遅れたものの、 2ラップ目に追い上げをみせ、15位で1/ 2Finalを終えた。
今年のトライアルワールドカップは全4戦で行われ、9月22- 23日に第3戦アントワープ大会(ベルギー)、10月13- 14日に最終戦ベルリン大会(ドイツ)と予定されている。
塩﨑太夢は昨年からヨーロッパを活動拠点としてワールドカップに 参戦を続けているが、 今大会から男子エリート20の土屋凌我も合流。 ともに1999年生まれの2人の更なるチャレンジに期待したい。
大会結果:
男子エリート26(参加44名)
1 VALLEE Nicolas (FRA)
2 HERMANCE Vincent (FRA)
3 COUSTELLIER Gilles (FRA)
15 SHIOZAKI Tomu (JPN)
男子エリート20(参加65名)
1 MONTALVO Alejandro (ESP)
2 PECHHACKER Thomas (AUT)
3 AREITIO Ion (ESP)
26 TSUCHIYA Ryoga (JPN)
女子エリート(参加15名)
1 REICHENBACH Nina (GER)
2 CAMINOS Irene (ESP)
3 HIDALGO Alba (ESP)
2018UCIトライアルワールドカップ大会サイト
http://www.uci.ch/trials/ucievents/2018-trials-uci-trials-world-cup/459900818/
決勝の模様はUCIのYouTubeチャンネルおよびUCI TrialsのFacebookページでライブ配信されたが、音声ゲストとして塩﨑太夢が解説に入っているので、そちらも注目していただきたい。
UCIライブ配信映像
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(女子エリート決勝1/2)
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(女子エリート決勝2/2+男子エリート26決勝)
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(男子エリート20決勝+表彰式)
1.大会名 2018 Mercedes-Benz UCI MOUNTAIN BIKE WORLD CUP Final La Bresse
2.開催日程 2018年8月26日
3.派遣日程 2018年8月21日~8月27日
4.開催場所 La Bresse FRANCE
会場 スタートループ3,500m+4,100m/Lap
参加者
エリート男性:山本幸平、平野星矢
U23男性:平林安里、北林力、小林勇樹
スタッフ:小林輝紀、榎本真弥
結果
エリート男性:山本幸平43位、平野星矢91位
U23男性:平林安里71位、北林力94位、小林勇樹100位
レポート
世界選手権を2週間後に据え、エリート男性並びにU23男性の日本代表チームがワールドカップ・ファイナルラウンドに参戦。ここは欧州であり、しかも2週間後に世界選手権を控えたワールドカップ最終戦。他のワールドカップやUCIレースとは異なる非常に強度の高いレースが展開された。
代表チームはレース5日前にフランスに入りし、レース会場から近いエリアにアパートを構え、生活・食事・トレーニング・レースを一貫した体制で行った。
天候は週前半の晴れた夏日から一転して週後半は雨模様となり、最高気温が10度台の寒い天候となった。レース当日は快晴に恵まれたが、前日までの降雨によって、部分的にウェットでルーズな路面となり、造り込まれたレイアウトも相まって乗車できない箇所が多発し、テクニカルなコースに拍車がかかっていた。
結果としてエリート、U23共に完走者1名、UCIポイント獲得1名という成績となったが、世界最高峰の環境で戦い得るフィジカルとメンタル両面の課題を明確にしていくことができた。課題を一つずつ解決していくことでしか世界に通用しない。今回のチーム体制はその解決策のひとつとなり、海外UCIレースをキャリアの異なる代表選手の協同活動を継続的に進めることが重要であると認識した。
<U23>
10:15、スタートループ1周+5Lapのレース。このレースで一度もトップを譲らず圧勝したFAGERHAUG Petter(NOR)選手を先頭に122名が一斉にスタート。チーム3選手はスタートへの反応は良く、ジャンプアップを展開する積極的な走りが見られたが、本コースに入ると林間に多用されたシングルトラックでの大渋滞で動きが停滞。バイクを降りて押す場面も多く、フィジカルが強くテクニシャンな欧州選手に圧迫されて順位を上げることが中々できない状況になった。レース中盤では路面が徐々に乾燥し、自分の走りに流れができ、縦に長く伸びたパックの中でプッシュを繰り返した。しかし、先頭とのラップ差は周回ごとに拡大。3名ともスタートより順位を落としながらも諦めない走りをみせ、結果として平林選手がトップから+11 :10の71位完走、北林選手、小林選手はマイナス1Lapとなった。成績としては芳しくないが、全体としてかなり速く強いレース展開の中で完走したこと、マイナス1Lapであったことは次に繋がる展開であったと言える。
<エリート>
14:50、スタートループ2周+5Lapのレース。当初予定されていたループ1周+6Lapが当日の朝になってコースコンディションに配意して変更された。大勢の観客で会場の盛り上がりが最高潮に達した中、118名の選手が一斉にスタート。落車もなく大きなパックとなってレースが始まった。先頭はこのレースを圧勝し年間チャンピオンを獲得したSCHURTER Nino(SUI)選手。山本選手は50番台、平野選手は80番台でスタートループを終え、本コースへと入った。山本選手は終始積極的な走りを魅せたが、前半は中々順位を上げることができない。平野選手はスタートが非常に良く、10名程を一気に抜いてジャンプアップしたものの、本コースに入ってからの走りに精彩を欠き、順位を下げてしまう。
中盤に入るとパンクやチェーン切も発生しはじめ、順位に変動が生まれやすい状況となった。山本選手はプッシュを繰り返し順位を40番台まで上げていく。一方、非常に速いレース展開の中で平野選手は彼本来の走りを発揮できないまま80%カットとなり、マイナス3Lapでレースを終えた。
終盤、パックが崩壊し前後にライバルがいない状況になっても山本選手のプッシュは続いた。結果としてトップから+8 :36の43位完走を果たした。
このレースでは現況のセルフコンディショニングの違いが成績として現れたものとも言える。このワールドカップが世界選手権に対して最後のレースであり、残された時間で最高の状態をつくって挑んで欲しい。
<最後に>
この遠征に際し、多くの理解と協力を頂きました。
チームとして充実した時間を得ることができました。
あらためて感謝致します。ありがとうございました。
スタッフ 小林輝紀
ジャカルタ・アジア大会第8日目(28日)男子BMXクロス決勝 で長迫吉拓(モトクロスインターナショナル)が優勝し、 金メダルを獲得。同じく決勝に出場した吉村樹希敢(GAN
TRIGGER)は6位。女子では畠山紗英(日本体育大学)が決 勝に進んだが他選手と接触して転倒、8位だった。長迫はシーディ ングランを首位で通過し、モト(3回行われる第一回戦) から安定した走りで首位で決勝に進出。決勝では第一コーナー前か ら先行して優勝した。
BMXレース 男子結果
1 長迫吉拓 (日本)
2 SAPUTRA I Gusti Bagus (インドネシア)
3 CALUAG Daniel Patrick (フィリピン)
6 吉村樹希敢 (日本)
BMXレース 女子結果
1 ZHANG Yaru (中国)
2 KITWANITSATHIAN Chutikan (タイ)
3 LESTARI Wiji (インドネシア)
8 畠山紗英 (日本)
・長迫吉拓のコメント
2016年以来、久しぶりのアジアの大会。各国選手のレベルが上 がっていることを知っていたし、じっさいに走ってみて危ない面も あったが、自分のなかで勝てることはわかっていたので、守りに入 るのではなく挑戦していく気持ちで走った。体力を使うコースだっ たので、モトでは体力温存することも考えて走った。
予選のタイムトライアルでは、周りの状況を見ながら体力温存しな がら走ったものの勝つことができた。その結果、予選1組に入り、 そのまま勝ち上がれば、決勝でも好きなゲートを選べる状態だった 。ゲートを最初に選ぶのは好きではないけど、勝てるレースなのだ から、自分のレースをすると心がけて一位通過した。最初のジャン プでは内側が好きではなかったため、真ん中のゲートをとり、内側 の選手を潰すことを考えて計算して走った。スタートは正直、隣の 選手のほうが早かった。しかし、ジャンプセクションではテクニッ クの差で自分が前に出られることはわかっていたので、 そこで前に出た。
トラックと両立したことで、全体的な体力が向上し、レースに対す る考え方や準備方法も変わっていきた。トラックのコーチによる考 え方の指導が生きてきている。
リオオリンピックを経験して、レベルは違うものの、同じシステム で開催される今回のアジア大会で優勝することができた。 勝たないといけないところで勝てたというのは、大きなステップア ップだと考えている。勝って当然、絶対に金メダルを取らないとい けないというプレッシャー、また、これまでアジア大会のBMXで 日本が金メダルを取ったことがないということもプレッシャーだっ た。東京オリンピックに向けて、またここから頑張っていきたい。 次はワールドカップで決勝、表彰台の常連となりたい。 練習でうまくできても、決勝ではできないことがあるので、メンタ ルを含めてそのような点を強化していきたい。
ツール・ド・ラヴニール(UCI U23ネイションズカップ最終戦)
8月25日 第9ステージ SEEZ ⇒ VAL D’ISERE 83㎞
レース結果
第9ステージ成績
1 BARCELO ARAGON Fernando(スペイン)2h29m50s
2 RIES Michel(ルクセンブルグ)+9s
3 POGACAR Tadej(スロベニア)+9s
…99山本大喜+17m17s、119渡辺歩+24m40s、 123大前翔+25m45s
第9ステージ終了時点個人総合リーダー
POGACAR Tadej(スロベニア)23h34m34s
コメント
1級山岳を3つ含む登りゴールの83㎞ のステージは平坦区間の無い極端な山岳レース。 序盤から揺さぶりの逃げは幾度かあったが、 各チームのエース各の動きが増すとラスト25㎞ 地点の最後の登りに差し掛かると、 スペインのBARCELOの単独先行に対し20名程度に絞れたグ ループが追走する状況となる。 日本勢3人はこの時点で戦列にはおらず、 完走目的に各グループでゴールを目指すことになった。 ゴールはそのままBARCELOが単独ゴール。 次いで小集団から抜け出し追走に入った総合リーダー含む2名が僅 か9秒遅れでゴールする全体的に攻撃的なレースとなった。 日本勢3名は雨の中トップから20分前後遅れの各グループでゴー ルラインを通過し明日の最終ステージを迎える事になった。/浅田 顕
大会名:2018UCIトライアルワールドカップ(第2戦)
開催日:2018/08/25-26
開催地:ヴァル・ディ・ソーレ(イタリア)
ワールドカップ第2戦には男子エリート20の土屋凌我が参戦。 トップ10ランカーを除く58名により、A,B,C, Dの4グループに分かれて1/4Finalが行われた。トップ10ランカーを含む25名で行われる1/ 2Finalへは、各グループの上位3名(計12名)+ 全体の成績上位4名の合計16名が進出となる。 土屋はAグループで僅差の5位となり残るグループの結果を待った が、全体では17位となり、惜しくも1/ 2Finalへの進出はならなかった。8/26には1/2FinalとFinalが行われ、 男子エリート26には1/2Finalから塩﨑太夢が出場予定。
1/4Final結果:
男子エリート20
グループA 5位 土屋凌我 [TSUCHIYA Ryoga]
リザルト
2018UCIトライアルワールドカップ大会サイト
http://www.uci.ch/trials/ ucievents/2018-trials-uci- trials-world-cup/459900818/
リザルトその他
http://www.uci.ch/trials/ ucievents/2018-trials-uci- trials-world-cup/459900818/ widgets/live-timing-and- results-186476/
■チャリダー★快汗!サイクルクリニック「 ロードレース全日本選手権2018」
NHK-BS1 8/25(土)18:00〜18:50
~番組HPより~
全国の自転車ファンが注目する「 全日本自転車選手権大会ロードレース」。 今年は島根県益田市で開催されるこのビッグレースを50分拡大版 で特集する。 栄光の全日本チャンピオンジャージを求めて鎬を削る、 個性豊かなトップレーサーたち。 彼らへの独占インタビューが浮き彫りにする、 死闘の裏側で繰り広げられた心理戦とは? スタジオには特別ゲストとして栗村修さんを迎える他、 テレビ電話で選手も出演!手に汗握る「知の闘い」 ロードレースの魅力に迫る。
ツール・ド・ラヴニール(UCI U23ネイションズカップ最終戦)
8月24日 第8ステージ LA BATHIE ⇒ CREST-VOLAND COHENNOZ 81.1㎞
レース結果
1 MÄDER Gino(スイス)2h11m24s
2 SOSA CUERVO Ivan Ramiro(コロンビア)+15s
3 STANNARD Robert(オーストラリア)+15s
…90山本大喜+8m13s、102大前翔+10m39s、 121渡辺歩+11m59s
完走131人/出走136人
コメント
山岳ステージ2日目は81㎞ と距離は短いが1級山岳を越えた後の2級山岳での登りゴールにな る。 そのため個人総合争いのではタイム差を狙う激しい展開が予測され たが、 途中各チームが伏兵を逃がす展開でレースは高速ではあるが割と穏 やかな様相で進んだ。 ゴールでは1級山岳で逃げがすべて吸収された後に飛び出したスイ スのMADERが後続は15秒の差で逃げ切り単独ゴールとなった 。 日本勢3人はトップから10分前後遅れの各小グループでのゴール となった。第9ステージは今日大きな動きが無かった分、 最も厳しいステージになることが予測される。/浅田顕
アジア大会女子個人ロードタイムトライアル
個人タイムトライアルはSUBANGの街をスタートしてすぐにロードコースでも使用した登り15kmをメインとする18.3kmで争われた。日本からは與那嶺恵理が出走し、ロードと同じく韓国のNA Ahreumとの戦いが予想された。
與那嶺はスタート後の最初の登り区間からリズムよく快調にペースを刻んでいく。早い段階で2分前のベトナムの選手を抜き、緩い下り区間もしっかり踏んでタイムを稼ぐ。勾配のある登りでもリズムを崩さず走り、フィニッシュ近くの平坦に近い登り基調の区間で少し疲れがみえたがゴールまで粘り続けた。フィニッシュではNA Ahreumからわずかに遅れで2位となり銀メダルを獲得した。18km走ってわずか0.16差と僅差の争いとなった。
女子個人ロードタイムトライアル結果
1 NA Ahreum (韓国) 31分57秒10
2 與那嶺恵理 (日本) 0秒16差
3 LEUNG WING YEE (香港) 2分25秒05差
アジア大会男子個人タイムトライアル
男子タイムトライはSUBANGの街をスタートして12kmほどの平坦を往復してから女子のコースと同じく登り基調の15kmを超えてフィニッシュとなる43kmで争われた。日本からは別府史之が最後から2番目の出走順でスタートした。
前半の平坦区間で別府は好走してタイムを稼ぐが、優勝候補の筆頭のLUTSENCO Alexey が目視で10秒ほど詰めてくる。別府は登り区間に入り前の選手を次々にパスしていくが、ラスト8kmあたりの勾配のある登り区間でLUTSENCOに抜かれる。レース情報がない中、35kmでLUTSENCO から1分差ということは良いペースで走っていることが分かる。そこからもリズムを崩さず、ラスト5kmの緩い登り区間も踏み続けてLUTSENCO から1分42秒差の3位となり銅メダルを獲得した。
この種目でアジア大会ロード競技は終了となり、日本チームは金メダルは獲得できなかったものの全4種目でメダルを獲得した。8月27日からはトラック種目が始まる。
男子個人ロードタイムトライアル結果
1 LUTSENCO Alexey (カザフスタン) 55分37秒17
2 KHALMURATOV Muradjan (ウズベキスタン) 1分33秒39差
3 別府史之 (日本) 1分42秒07差
・別府史之のコメント
「昨日に引き続きのメダル獲得を嬉しく思う。自分のリズムを大事にし、ラスト5キロはなにも考えずただ踏み続けた。自分のベストを尽くして走り、メダルを獲得できて清々しい気持ち。今回のアジア大会の結果に満足している。もちろん金メダルを獲得できなかったことは残念だが、チームとして次につながるレースができたと思う。」
JCF強化コーチ 柿木孝之