公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)ロード部会は、2025年10月27日に第2回会合を開催し、「日本ロード競技の10年後(2035年)に向けた強化・育成の方向性」について議論を行いました。
出欠状況
出席者:加地 邦彦(部会長)、飯田 太文、別府 史之、古家 由美子、松村 拓紀、今西 尚志、川口 直己、栗村
修、樫木 祥子
事前意見提出・当日欠席:大庭 伸也、辻 啓
欠席:中梶 秀則
会合の概要
今回の会合は、前回(9月部会)の三本柱「問題解決型」「ドクトリン決定型」「情報発信型」のうち、 特に“ドクトリン決定型”に焦点を当て、10年後の強化・育成像を定量的に整理することを目的としました。
主な議題は、ロード競技に関連する強化および育成の目標設定、並びにその他の審議事項について検討が行われました。
強化に関する合意事項
強化においては、客観的に評価可能な指標を重視し、 UCI Nations Ranking(国別ランキング)を中心とする国際的指標を踏まえ、 日本のロード競技が世界水準で競い合うための基盤を整理することを目的とした議論が行われました。
・UCI国別ランキングの数値目標
男子:20位、女子:25位を暫定目標とする方向性で確認。20位は、ヨーロッパから地理的に離れた国々の現状を参考に設定された目標値です。
指標には「男子WT所属5名・ProTeam5名」「女子WT3名・ProTeam3名」を参考値として設定。
ランキング偏重を避け、欧州実績(ワールドツアー上位入賞等)との複合評価を検討。
・女子強化のポイント戦略
現状46位から10年後に「総合1000pt超」を目標に設定。
欧州大会への参戦枠を拡充(5〜6名体制)し、現地でのポイント獲得を重視。
競技環境整備と同時に、海外活動支援体制の確立を検討。
育成に関する合意事項
育成については、競技力の強化そのものではなく、「教育的育成」としての人間形成を基礎とする考え方が共有された。
選手が世界と関わるために必要な準備段階として、アスリートマインドセットの構築を育成の中心に据え
る。
・アスリートマインドセットの構築
自立・倫理観・コミュニケーション能力・語学・異文化理解を含む教育的育成。
「強くなる前に、世界と関わる準備を整える」ことを主眼とした方向性。
・教育的育成体系の整備
学校・大学・実業団を通じて「人間教育」としての競技活動を体系化。
コーチやチーム関係者を含めた教育支援体制の強化を検討。
・他種目連動による育成・強化
トラック・MTB・CXなど他種目との連携を図り、選手強化委員会と協働して総合的な育成・強化を進める方針。
参考意見として共有された提案
・欧州常設拠点の設置構想
合宿・遠征・分析を一体的に行う強化モデルとして検討する意見。
・スター選手の育成・支援制度化
象徴的存在の創出を競技価値向上の一要素とする。
・育成パスウェイのUCI整合化
各年代の到達要件を整理し、国内制度と国際基準を接続する方向性。
2025年度 Continentalチーム登録・契約基準に関する審議事項
・チーム登録・契約基準の見直し
コンチネンタルチーム登録は9チームを一部条件付き承認。
外部専門家による財務・契約審査を継続し、日本人比率要件(現行50%)の見直しを次回検討。
多くのチームが「プロ」登録を選択したことを確認。
今後、2027年登録では強化・育成プランとより連携した形での制度設計を目指します。
別途確認事項
(本議題とは別項目として確認)
ユースのギア比規制撤廃(2026年規則反映予定)について、関係委員会への確認。
学連トップギア制限(5.31)は今後も検証を継続。
総括
今回の会合では、強化目標を初めて数値として整理すると同時に、 「育成=教育」という考え方が明確に共有されました。
競技成績のみに依存せず、人間的成長を基盤に据えた持続的な強化体制を築くことが確認されました。
10年後のゴールが決められると、それに向けた施策やマイルストーンの設定が可能となり、年度ごとの進捗評価も行えるようになります。
部会長コメント
部会長としては、他にも議論できるよう資料を準備していましたが、議論が白熱したため、次回に繰り越すこととなりました。
今までの部会では出来なかった具体性を伴う議論ができたと感じています。
今後、この方針を実現させるための方向性を詰めていきたいと考えています。
今後の予定
次回会合では、以下の事項を中心に審議を行う予定です。
・普及施策および参加拡大に関する方針
・各施策の実行計画と段階的導入
・UCIレギュレーション変更への国内対応
・国内独自レギュレーション(安全基準・大会運営要件等)の整理
公益財団法人日本自転車競技連盟
ロード部会長
加地 邦彦
今後UCI競技規則がひろく変更される予定となっております。
本連盟では英語の文献を和訳して連盟ホームページにて公開しています。
今回はUCI競技規則Part1スポーツとしての自転車競技組織について更新しましたのでお知らせします。
https://jcf.or.jp/wp2012/wp-content/uploads/downloads/2024/02/01_1_General_Organisation_of_Cycling_as_a_Sport_20240101.pdf
当該2025年10月UCIアナウンスの変更箇所は作業完了次第、お知らせする予定です。
変更となっている箇所を新旧比較表4件分作成しましたので、下記PDFファイルにてご確認ください。
ファイル名末尾の日付は変更施行日です。
例、【Part 01_4-4_General Organisation(総則)改定対照版_01.01.2027】の場合、2027年1月1日施行です。
登録システムのメンテナンスの為に下記の時間帯は全てのシステムがご利用いただけません。
予めご了承くださるようお願いいたします。
【メンテナンス期間】
・2025年10月31日(金)12:00から2025年11月4日(火)12:00まで(予定)
【対象サービス】
・JCF登録システム全般
・JCFエントリーシステム全般
第2級公認審判員講習会トラック・ロードが長野県自転車競技連盟により2025年11月15~16日の日程で長野県松本市・スカイロードサイクリングスタジアム松本にて開催されます。
受講希望者は実施要項をご確認頂き、所定のフォームよりお申込みください。
申込期限 2025 年11 月3 日(月/祝) 23:59 迄
※お申し込み後、受講資格について本連盟審判委員会により審査され承認された申込者は受講可能となります。
くわしくは公益財団法人日本自転車競技連盟 公認審判員規定をご確認ください。
第2級公認審判員講習会受講に関する通知
https://jcf.or.jp/news-80366/?category=road
長野県自転車競技連盟WEBサイト
https://nagano-cf.org/
2025年11月4日12:00から2026年ライセンス継続申請の受付を行います。
連盟登録専用インターネットサイトから期限内に申請をお願いします。
https://entry.jcf-system.jp/jcf/login.php
【継続期間】
クレジットカード払い 2025年12月19日(金)18:00まで
コンビニ払い 2025年12月10日(水)18:00まで
加盟団体登録申請受付 2025年12月19日(金)18:00まで
加盟団体による上記承認 2025年12月25日(木)18:00まで
参考:JCF登録(https://jcf.or.jp/official/registration/)
公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)は、2025年9月23日に「ロード部会」を発足し、第1回会合を開催いたしました。
本会合では、ロード競技のさらなる発展と競技運営体制の強化を目的に、今後の方針や具体的な取り組みについて活発な意見交換が行われました。
JCF ロード部会発足と第1回会合のご報告
公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)は、2025年9月23日「ロード部会」を発足し、第1回会合を開催いたしました。
ロード部会員
部会長
・加地 邦彦(JCF常務理事)
部会員
・中梶 秀則(JCF副会長・理事)
・飯田 太文(JCF常務理事)
・古家 由美子(JCF理事)
・大庭 伸也(JCF理事)
・別府 史之(JCF理事)
・今西 尚志
・川口 直己
・栗村 修
・樫木 祥子
・辻 啓
・松村 拓紀
基本方針
ロード部会は、以下の3本柱を基本方針として活動を進めます。
1. 問題解決型
制度・安全・普及・育成・強化など山積する課題を迅速に解決し、「2年後にはやることがなくなる状態」を目指します。
2. ドクトリン決定型
日本のロード競技が10年後にどうあるべきかを示す「Doctrine(指針)」を策定し、逆算方式で強化・普及・育成制度を再設計します。
3. 情報発信型
議論や決定事項を広く関係者・一般層に発信し、透明性と信頼性を高めます。
第1回会合の概要
・競技人口の減少傾向
・高コスト障壁への対策(重量規制・中古機材活用など)
・選手登録制度の見直し
・長期強化ビジョン(10年計画)
・多様なレース形態への対応(ヒルクライム・エンデューロ・グラベル等)
これらについて、継続的に議論・検討し、制度改革や新規施策へと発展させていくことを確認しました。
今後について
次回会合は10月末を目安に開催予定です。今後もロード部会は、課題解決と未来ビジョンの策定に向けて議論を重ね、その内容を随時発信してまいります。
公益財団法人日本自転車競技連盟
ロード部会長
加地 邦彦
バーレーンにて開幕する第3回アジアユースゲームズのお知らせです。
自転車競技は10月24日に競技開始になります。
日本チームへのご声援をよろしくお願いします。
派遣期間:2025年 10月 21日(火) ~ 11月 2日(日)
開催場所:バーレーン
派遣選手団
<スタッフ>
清水 裕輔 (JCFロード強化コーチ)
小橋 勇利 (JCFロード強化コーチ)
<選 手>
三上 将醐 (神奈川県立横浜立野高等学校)
佐野 凌麻 (岐阜第一高等学校)
工藤 健太 (栃木県立宇都宮商業高等学校/ブラウ・ブリッツェン)
倉谷 希輝 (名古屋たちばな高等学校)
小田島 寛奈(青山学院中等部/Bellmare Women’s Racing Team)
2025年10月17日(金)から19日(日)に栃木県宇都宮市で開催される「2025 UTSUNOMIYA JAPAN CUP CYCLE ROAD RACE」に派遣する日本代表選手団を下記のとおりお知らせいたします。
1.大会情報
大会名:2025 UTSUNOMIYA JAPAN CUP CYCLE ROAD RACE
開催期間:2025年10月17日(金)~10月19日(日)
開催場所:栃木県宇都宮市
2.派遣メンバー
スタッフ 4 名
清水 裕輔 (JCFナショナルロードコーチ)
三瓶 将廣 (JCFハイパフォーマンスディレクター)
市川 貴大 (メカニック)
野村 智美 (マッサー)
男子選手 5 名
金子 宗平 (群馬グリフィン・レーシングチーム)
岩村 元嗣 (Team NIPPO/早稲田大学)
望月 蓮 (Team Buffaz Gestion de patrimoine-Lyon Sprint Evolution)
梅澤 幹太 (TEAM BRIDGESTONE Cycling/鹿屋体育大学)
神谷 啓人 (京都産業大学)
本代表チームへの温かいご声援を引き続きよろしくお願いいたします。
2025年度 全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース 及び、同個人タイム・トライアルのリザルト修正に関して
日本アンチ・ドーピング規程に基づく決定に伴い、2025年度 全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース 及び、同個人タイム・トライアルのリザルトを更新しました。
検体採取日である2025年6月22日から暫定的資格停止期間の開始日である2025年7月16日までに出場したであろう競技大会の同競技者のあらゆる成績は失効します。
・全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース
・全日本自転車競技選手権大会 タイム・トライアル